“中国の潜在的巨大市場”は「高級魚」に?
中国は8日、国境を開放し、新型コロナウイルスの流行における措置を完全に解除した。この決定は、中国が過去3年間適用してきたゼロコロナ政策を取り消すための最終的なステップとなる。14億人の市場開放は、ベトナムの水産物輸出に好影響を与えると期待されている。
ベトナム農業農村開発省(MARD)農林水産品質管理局のレ・バ・アン副局長は、「MARDは2004年から中国と水産物に関する食品安全管理協力の協定を締結している」と述べた。双方は水産物輸出企業の登録を維持しており、現在、中国は、中国に輸出するベトナムの水産物企業802社を了知し、ベトナムも、ベトナムに輸出する中国の水産物企業780社を了知している。
水産物の輸出が困難な状況にも関わらず、2022年の中国市場向けベトナム水産物の輸出は依然として力強く増加し、輸出高は2倍となっている。
アン氏によると、中国がゼロコロナ政策を実施したため、この市場へのベトナムの水産物輸出、特に活カニ、ロブスター、バナメイエビ、ブラックタイガーエビなど高価値な品目における輸出困難が生じたという。そのため中国が市場を開放すれば、これらの品目が急激に増加するはずだと予測される。
中国が開国することで同国内のレストラン経営も活発化し、高価値な水産物の需要が高まる。また同国の新型コロナウイルス検査に関する複雑な手続きも廃止されるため、このことも水産物輸出を促進する一助となるだろう。
ベトナム水産物輸出生産者協会(VASEP)のコミュニケーションディレクターであるル・ハン氏は、「世界的な高インフレの中で、中国は2023年にベトナムの水産企業にとって“最も巨大な潜在市場”となるだろう」と述べ、「需要の高まり、地理的な近さ、他の市場よりも低い物流コストやリスクのおかげで、そのような可能性がある」と付け加えた。