ユニクロの柳井氏、ソフトバンクの孫氏…「カリスマ社長」がいつまでも引退しないことによる、あまりにも“大きな代償”

ユニクロの柳井氏、ソフトバンクの孫氏…「カリスマ社長」がいつまでも引退しないことによる、あまりにも“大きな代償”
(※写真はイメージです/PIXTA)

ファーストリテイリングやソフトバンクなどの例をみると、強いリーダーシップを持ったカリスマ社長ほどなかなか引退しない傾向にあります。しかし、高齢になっても社長が引退しないことにより、さまざまな悪影響をおよぼす可能性もあります。本記事では、社長が引退できるのにしない理由とともに、それによっておよぼされる会社への影響についてみていきましょう。

 

「60歳」で社長は引退するべきか?

3人のワンマン社長のケースを見てみましたが、孫氏の復帰劇の際、永守氏と柳井氏もコメントをしています。以下にご紹介したいと思います。以下、C-NET Japanの記事より。

 

孫氏:シリコンバレーだと60歳なんて化石のような扱い。Googleのセルゲイ・ブリンやFacebookのマーク・ザッカーバーグもまだ30~40代。友人である彼らにいつも触れていると、近々60になる人間が社長なんてやっていたら、僕自身がソフトバンクの成長を妨げてしまう。老害といわれる前に早くバトンを渡さないといけないと真剣に思っていた。

 

柳井氏:孫さんみたいな人はいない。次の後継者は孫さんみたいな人ではなく、チーム経営ができる人だろう。60(歳)にもなっていないのに引退? 冗談じゃないぞと申し上げた。

 

永守氏:私は120になるまでやれといわれている。人の意欲と年齢は関係ない。孫さんが60になったらやめるといって、血迷ってるんじゃないかと思った。60になっても絶対辞めないし、(引退を予定している)69になってもまた10年はやりますよ。そういう経営者でなければ、こんな立派な会社はできない。孫さんがいうことは全部、ホラや嘘だから、あまり信用しないほうがいい。

 

こう見ると、各者の引退に対する見解が見えて面白いですね。

 

社長の引退年齢は?

東京商工リサーチのデータによりますと、2021年の社長の平均年齢は、調査を開始した2009年以降、最高の62.77歳(前年62.49歳)だったそうです。少し前の時代であれば、会社員はすでに定年退職している年齢です。それが、社長の場合には”平均で”62.77歳ですから、社長の高齢化はかなり進んでいるといえるでしょう。

 

高齢になっても引退しない社長は業績悪化を招く?

社長の高齢は、日本全体の高齢化と当然ながら比例しているものです。人の寿命は延び、人生100年時代といわれています。そのため、働けるうちはいつまでも現役でいたい、という社長もいいでしょう。

 

一方、同じく東京商工リサーチのデータによりますと、以下のとおり社長の高齢化に伴い、業績悪化が進む傾向がみられるという悲しい事実もあります。

 

・直近決算で減収企業は、60代で57.6%、70代以上で56.8%

・赤字企業も70代以上が24.0%で最も高く、60代も23.2%

 

こうなってしまう理由は、イノベーションへの取り組みが弱く、成功体験に囚われやすいこと、また、長期ビジョンを描きにくく、設備投資や経営改善に消極的になる傾向があるとのことです。

 

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