コロナ禍で企業に求められる「人的資本の強化」
人材を「資源」ではなく「資本」として扱う
ESG投資のなかで社会的側面、特に人的資本への投資に注目が進むなか、今後重要視すべきなのは、人材をリソースとして扱わず資本として扱う視点です。人的資源(Human Resources)は資源ですから、使うと目減りします。一方、人的資本(Human Capital)は資本。投資により価値を高めていくことができます。
もちろん投資なので、かけたコストに見合ったリターンが必要です。目的を定め、成果を測定する人材戦略が不可欠です。
人材を資源ではなく資本としてとらえ、働き方を変える仕組みを構築し、価値を高めていくことが重要になります。健康管理は、人的資本の価値を高める際の質的向上を測定する鍵となります。
人的資本へ注目が集まっている要因には、コロナ禍をきっかけにして企業内の活動において労働慣行に関する課題が明確になってきたことも大きいと考えられます。たとえばテレワークへの移行など企業の業務形態が大きく変わるなかで、これまで見えていなかった職場の課題が浮き彫りになるなど、企業価値を評価するうえで労働慣行に関する要因が外せなくなってきているのです。
先に紹介したESG研究所の「ESG投資実態調査2020」によると、コロナ禍における企業活動で重要とみなす上位に、健康管理を含む働き方改革の推進と持続可能性を高めるためのビジネスモデルの再構築が挙げられています。
ESG投資のトレンドが、健康管理のしくみを整備して企業体制の再構築を図り、人的資本を強くする企業活動に注目していることが伺えます。
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