テレワークによって脅かされる「社員の健康」
コロナ禍、社員の「メンタル不調」が増えている
新型コロナウイルスの流行により、テレワークなどのデジタル化が急速に進んだ結果、業務以外の雑談がなく、社内でのコミュニケーションが減りました。特に新入社員や単身者などに顕著です。睡眠障害や運動不足など、メンタルの不調を訴えたり、予備軍のようになっている社員が増えていることを実感します。
関係者へアンケートをとったところ、コミュニケーションが減ったと感じる人が80%という高い割合になりました。
産業保健師として関わるなかでいうと、現場の方々と物理的にも心理的にも距離を感じること、また現場と産業医との橋渡しや身近な相談相手になる役割をなかなか果たすことができないという悩みがあります。
アンケートでも、健康経営のなかで現場と産業保健師とのあいだに距離を感じると答えた割合が67%と高くなりました。
社員の健康を支えるはずが…膨大な作業に打つ手なし
産業保健師は職場でひとり。孤独です。待ちの姿勢ではなく、積極的に関わっていきたいと思っていても、仕事の内容もつかめませんし、遠い存在となってしまって相談する機会がないという状態です。加えて産業保健師が関わる業務は多岐にわたります。付随する事務仕事も当然多くなり、現場とのコミュニケーションにかけるエネルギーの余裕がなくなってしまいます。
実際、アンケートでも、コミュニケーションの時間が確保できていないと答えた割合は70%と高くなっています。事務作業が多く、本来時間を割きたい業務――社員や職場関係者との関係性をつくる働きに注力できないのです。
産業保健も「システム化」で社員の健康を守る
これからの産業保健には、業務の効率化、特に本来業務の背景にある膨大な事務処理作業を効率化する仕組みの構築が不可欠です。
その鍵を握るのがシステム化。デジタル化して一元管理すると、作業ベースの業務の効率化を図り、浮いた時間を現場との関係性を深めたり産業医との橋渡しを行ったりする業務に充てることができます。
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