(※写真はイメージです/PIXTA)

かつては簡単と見なされていた私立大学医学部さえ、合格するには最低でも「偏差値60~65」が必要。いまや、合格に必要な学力レベルは私立も国公立もそれほど変わりません。自身が選ぶべきは私立か国公立か?医学部専門予備校「京都医塾」の著書『偏差値40からの医学部逆転合格』(ラーニングス株式会社)より、私立大学と国公立大学の違いを見ていきましょう。医学部合格を目指す上で欠かせない知識です。

学費だけではない、私立大学と国公立大学の違い

ここでは、これから医学部を受験しようと考えられている受験生と保護者の皆さまに、検討のポイントとなる国公立大学と私立大学の違いを3つご紹介します。

 

①学費

②教育方針・カリキュラム

③受験に必要な科目数と受験できる回数

 

特に、「③受験に必要な科目数と受験できる回数」については、これからの医学部受験にも大きく関わりますので、ご家庭でしっかりと話し合っていただきたいポイントです。

①学費

国公立大学と私立大学の違いを考えた時に、最初に思いつくのが学費の違いかと思いますが、やはり学費には大きな差があります。

 

医学部の6年間の学費は、国公立大学で300〜400万円ほど、私立大学の医学部では、最低でも2,000万円ほどです。私立大学の中には、4,000万円を超えるところもあります。

 

ただ、私立大学医学部においては、2008年の順天堂大学の学費の値下げを皮切りに、学費軽減の流れにあり、中には900万円ほど学費が下がった大学もあります。また「地域枠」など奨学金が貸与される受験形式も増えてきたので、以前よりは進学を検討しやすくなっていると言えるでしょう。

②教育方針・カリキュラム

医学部の教育方針やカリキュラム構成などを比較すると、一般教養の時間と医学の専門教育の時間に違いが見られます。

 

国公立大学は、1、2年生の間に一般教養の時間が多く確保され、そのうえで、2年生以降に医学の専門授業が組まれていることが多いです。入学してすぐに医学の専門授業が始まらない、もしくは時間数が少ないことで、モチベーションを高く保ち続けるのが難しいという声も稀にありますが、大学での総合的な学びが得られるという良さがあります。

 

その点で、私立大学は入学して比較的早期に医学の専門授業がスタートする傾向にあります。また、国家試験の対策などを手厚く行なっているところも多いです。国公立大学に比べると、一般教養を学ぶ時間が少ない傾向にありますが、早い時期から医学の勉強を始められることに魅力を感じて、私立大学を志望される受験生もいます。

 

また、国公立大学・私立大学の違いではありませんが、他学部併設の大学であれば、文系・理系問わず他学部の学生との交流の機会を持ちやすいという良さがあり、医学部もしくは医療系の学部に限定された大学であれば、より多くの同じ夢を持つ仲間と出会えるという良さがあるでしょう。

③受験に必要な科目数と受験できる回数

まず、受験に必要な科目数について考えてみましょう。一部例外はありますが、全体的な傾向を書きます。

 

国公立は、英語、数学、理科2科目、国語、社会に加えて、小論文と面接。

 

私立は、英語、数学、理科2科目と小論文、面接です。

 

この科目数の違いは、実は医学部合格のための戦略を練るうえでもかなり重要な要素です。それもそのはず、受験の科目数が違うということは、1科目に使える勉強時間も違ってくるからです。

 

医学部合格は総合得点で決まります。複数の得意科目が偏差値70を超えている人を除いて、基本的にはすべての科目を偏差値65に到達させなければなりません。その際に、受験に何科目必要になるかということが、最終全科目平均で偏差値65まで学力を伸ばし、医学部に到達できるかどうかに大きく影響するのです。

 

当たり前ですが、どんなに頑張ったとしても、1人の人間が1日に使える時間は24時間であると決まっています。必要な睡眠や食事の時間を考えると、勉強に充てられる時間はさらに限られます。科目数が少ないほうが、それぞれの科目の力を伸ばすには有利であることは間違いありません。

 

極端な例かもしれませんが、山登りをする際に40キロの荷物を背負いながら登るのが私立大学の医学部受験、同じ道を60キロの荷物を背負いながら登らなければならないのが国公立大学の医学部受験というようなイメージです。私立大学の医学部受験と国公立大学の医学部受験では、それくらい負担の差があります。

 

一般的に言うと、科目数が多く負担の大きな国公立大学医学部ではなく、私立大学医学部を目指して、英語、数学、理科2科目に集中して勉強したほうが、より早く合格しやすくなるのです。

 

さらに、受験できる回数という視点で考えてみます。

 

国公立大学の医学部に合格するためには、一般的には、共通テストで約85%をとり、かつ、二次試験において偏差値65をとる学力が必要です。どちらの条件も満たす必要があるうえに、二次試験は前期・後期だけで、すべての大学が統一の日程であるため、最大でも2回しか受験できません。

 

私立大学の場合は、試験日が大学によって異なり、また、同じ大学で複数試験日が設けられていることもあり、試験日が重ならない限り、受験できる回数を増やせます。

 

決して、受験に必要な科目数が少なく、受験回数が増やせるから、私立の医学部受験が簡単だ、と言っているわけではありません。何度もお伝えしているように、医学部受験において、私立大学と国公立大学のそれぞれの合格に求められる学力レベルはほとんど変わらないのです。ただ、受験生にとって、この違いは私立大学の「どこか1校に合格するチャンス」を少しだけ広げてくれるのです。

 

他にも国公立大学と私立大学の違いはありますが、まずはこうした違いを考慮して、ご家庭でもよく話し合っていただき、お子さまも保護者さまも納得して医学部受験に臨んでいただければと思います。

 

 

医学部専門予備校 京都医塾

 

「教育は、一人のために生まれる。」を企業理念に、圧倒的合格率で「偏差値40からの医学部受験合格」へ導く医学部専門予備校。京大出身の社員講師を中心に全国に校舎を増やさず、京都にしかない独自の教育サービスを展開。

医学部の受験競争が激化し、合格には偏差値65以上が必要と言われるなか、入塾選抜テストを行わず、偏差値40台から受験勉強をスタートした生徒を毎年合格させている。

 

★GGO限定記事>> 偏差値30台から「わずか1年」で医学部合格も。知る人ぞ知る「京都にしかない医学部専門予備校」とは

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    ※本連載は、医学部専門予備校 京都医塾の著書『偏差値40からの医学部逆転合格』(ラーニングス株式会社)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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