あなたが最も重要だと考えるビジネススキルを〝1つだけ〞挙げるなら?
研修や講演に登壇する際、私は受講者のみなさんに「最重要ビジネススキルを〝1つだけ〞挙げるとすれば、それは何ですか?」と問いかけることがあります。みなさんも、自分だったら何だと答えそうか、ひとしきり考えてみてください。
ちなみに、過去に出てきた答えのなかでとくに多かった能力は、「ロジカルシンキング(論理的思考力)」「コミュニケーション力」「読解力(含む聞く力)」の3つです。
ただ、みなさんなりの答えを考えてみてほしいので、ここでもう1つ、有名なトヨタの企業文化の話をしようと思います。トヨタは、ムダをトコトン嫌う会社として有名です。
そして、ムダを省くために「考えに考えに考え抜く」企業風土は、研修のフィールドでもにじみ出ていました。
貴重な時間とお金を使って教育機会を提供する以上、「いったい何をグローバル標準の働き方として教えるべきか?」「数あるビジネススキルのなかから何に絞り込むべきか?」「そもそも仕事とは、ビジネスとは何なのか?」等々について、とてつもなく濃密な議論があったはずです。
そうして考え抜いた末にたどり着いた最重要ビジネススキルが、「クリティカルシンキング」や「ビジネスプレゼンテーション」以上に、「問題解決力」でした。
ビジネスパーソンがずっと磨き続けるべきスキル
より正確に言うと「問題解決力」のなかにそうした他のスキルも内包されているのですが、ともかくトコトン考え抜いたうえでの結論だからこそ、「トヨタにおける仕事の仕方=問題解決の実践」とする定義を叩き込むことに、膨大な時間やリソースを割く選択・決断・意思決定ができたのではないでしょうか。
仕事を継続する限り、ずっと磨き続けるべきビジネススキルのセンターピン。それが、「問題解決力」なのです。
浅田 すぐる
「1枚」ワークス株式会社代表取締役
「1枚」アカデミア・プリンシパル
動画学習コミュニティ「イチラボ」主宰