写真提供:オオカワ建築設計室 写真:吉田みちほ

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回は、劣化対策、特にシロアリ対策(防蟻)についてみていきます。

人体に無害で永続性のある防蟻処理方法

一部の意識の高い工務店やハウスメーカーは、合成殺虫剤系の防蟻処理から、永続性があって、人体にも無害の防蟻方法への切り替えを進めています。

 

このような防蟻方法はいくつかありますが、一般的なのは、加圧注入材(図表5)と呼ばれる木材保存剤(薬液)を高い圧力をかけながら木材内へ深く含浸(注入)させた材の採用、もしくはホウ酸処理(図表6)のいずれかです。ホウ酸は、鉱物の一種ですが、子どもが遊ぶスライムの材料であり、人体にはほぼ害はありません。ただ、ゴキブリやシロアリはホウ酸を食べると消化できずに死んでしまいます。揮発性はないため、効果が減衰することもありません。

 

【図表5】
【図表5】
【図表6】
【図表6】

シロアリ対策で工務店・ハウスメーカーの見極めを

工務店・ハウスメーカー選びの際に、防蟻方法について尋ねてみるのは、意識の高い会社を見極めるためにとても有効な質問です。

 

加圧注入材やホウ酸処理等、防蟻方法にこだわっている工務店等は、「よくぞ聞いてくれました!」と、喜んで説明してくれると思います。

 

ただ、注意が必要なのは、合成殺虫剤系の防蟻を行っている工務店等の営業マンは、自社が合成殺虫剤を使用しているということを理解・認識していないケースがほとんどです。防蟻方法についての説明の歯切れが悪い会社は避けた方が無難かもしれません。

 

新築時の耐震性能が維持できて、資産価値が下落しにくい家にしたいのならば、防蟻方法に気を付けて工務店等を選ぶことを強くお勧めします。

 

住まいるサポート株式会社
代表取締役
高橋 彰

 

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