日本の住宅はなぜ資産にならないのか?
筆者が運営している「高性能な」住まいの相談室では、高気密・高断熱住宅に特化した住まいづくりのサポートを行っていますが、ほか、次の4点の躯体性能をバランスよく確保することが必要だと考えています。
① 耐震性能
② 耐久性能(劣化対策および維持コストがかからないこと)
③ 断熱性能
④ 気密性能
最近、注文住宅の新築を検討している方々は、耐震、断熱、
また、工務店・ハウスメーカーも防蟻については勉強不足の会社がとても多いのが実態です。つまり、施主側がきちんとした知識を持たないと、シロアリ対策が万全な住まいづくりは難しい状況にあるのです。
以前、衆議院議員の柿沢未途先生と田嶋要先生にお話をお伺いしていますが、この記事で、国土交通省の資料等を基に、欧米では国民が住宅に投資した額が概ねそのまま資産として積み上がっているのに対して、日本では資産として積み上がらずに、住宅投資額の累計と住宅資産額の差は、なんと500兆円にも上っているということに触れました(関連記事:『日本の住宅の断熱性能、今後大幅に基準が厳しくなる! 国の政策アプローチから探る』)。
つまり、国民が住宅ローンを組んで、住宅に投資した額の半分以上にあたる500兆円もの投資額が資産として積み上がらずにどこかに消えてしまっているのです。これがなぜなのかを詳細に分析した資料というのを私は知りませんが、私見ではおそらく、
1)新築志向が強く、既存住宅の流通マーケットの整備が遅れていること
2)既存住宅はおおむね築20年も経つと建物の評価額はほぼゼロになってしまうこと
3)築後30年程度で建て替えられてしまう住宅が多いこと
といったことに起因しているのではないか考えています。
特に、3)の築後30年程度で建て替えられてしまうことの要因の一つに、劣化対策が不十分で、築30年も経つと、壁内結露やシロアリ被害により、耐震性能や耐久性能に不安を感じている方が多いことが大きな要因であると思われます。
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