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会社の経済的価値を表す「企業価値」。具体的にどのように評価するのでしょうか? みていきましょう。

企業価値を向上する方法

複数の手法を用いて公正な企業価値を算出したら、それで終わりではありません。M&Aで交渉を有利に進めたいと考えているなら、磨き上げを実施し、企業価値の向上に努めましょう。企業価値の向上に役立つ方法を三つ紹介します。

収益力を強める

企業の価値を経済的に示したのが企業価値です。そのため『収益力』を高められれば、企業価値も向上する可能性があります。収益力を上げるには、ビジネスモデルの見直しが必要です。これまでのやり方を見直し、改善できる点はないか確認しましょう。

 

たとえば仕入先を見直し、かかるコストがより安くなれば、これまでと同じ価格で商品を販売しても利益が増えます。ほかにも営業力や商品開発力などを向上することでも、収益を高められるでしょう。

投資効率の改善

『投資効率』を改善するのも重要です。これまでなんとなく保有してきた資産の中には、持っていても値上がりしなさそうなものや、活用しきれていないものもあります。

 

たとえば、値上がりを期待できない有価証券やゴルフ会員権・遊休地などです。不要な資産がなくなれば無駄が減り、投資効率が高まります。

 

また多過ぎる在庫を整理し減らすことも、投資効率の改善につながる方法です。

財務体質の改善

M&Aの買い手は売り手の『財務体質』も重視します。そのため財務体質の改善も企業価値の向上に役立つ項目です。

 

たとえば『会計帳簿』と『決算書』を正しく作成し、必要なときにいつでも開示できるよう準備しておきましょう。『貸借対照表』の内容も整理し、現預金といった流動資産や返済期間の長い固定負債が多くなるよう調整します。

 

またさまざまな取引条件を明確にし、一覧を作成しましょう。『金融機関からの融資について』『仕入先や顧客との契約について』などをひとまとめにします。いつでも開示できる状態を整えることも重要です。

磨き上げで企業価値を高めよう

企業価値は会社の経済的価値を表す数値です。M&Aで行われる企業価値評価は、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの3種類に大別できます。

 

公正性の高い企業価値評価を実施するためには、複数の手法を用い算出しましょう。自社の価値を把握したら、収益力を高めたり、投資効率や財務体質を改善したり、企業価値を高める磨き上げを実施するのも効果的な方法です。

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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