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会社の経済的価値を表す「企業価値」。具体的にどのように評価するのでしょうか? みていきましょう。

企業価値評価の手法はさまざま

企業価値評価の方法はM&Aと相続で異なります。それぞれどのように算出するのでしょうか? 評価をするタイミングで赤字の場合にも、さまざまな要素で評価されるためマイナスにはなりません。

M&Aにおける企業価値評価

M&Aを実施するときの企業価値評価は、買い手の意思決定に役立つ情報です。相性のよい事業や技術があり相乗効果を期待できそうと考えても、どのくらいの予算で買収できるのか分からなければ検討できません。売り手にとっても企業価値評価は重要です。実施しなければ自社の価格として妥当な金額が分からず、不当に安い価格で売却してしまうケースもあるでしょう。

 

そこで『コストアプローチ』や『インカムアプローチ』などの手法を用い算出します。特に非上場企業は、市場に株式が出回っておらず、市場価値から企業価値を知るのが不可能です。売り手にとっても買い手にとっても必要な評価といえます。

 

■赤字企業の場合

企業価値評価は売上や利益の大きさだけを見るものではありません。そのため赤字企業であっても、買い手との相性次第では高く評価される可能性があります。

 

M&Aの売却価格を左右するのは以下の要素です。

 

●売上・利益

●取引先・顧客リスト

●市場シェア

●熟練の従業員

●技術力・ノウハウ・特許

 

たとえば利益だけを見ると赤字であっても、買い手が欲しがっている技術を持っており相乗効果(シナジー効果)を期待できる企業なら、企業価値は高く評価されるかもしれません。

相続における企業価値評価

相続で企業価値評価を実施するときには、国税庁の『財産評価基本通達』に従い企業価値を算出します。M&Aで算出する場合には手法が複数あり、算定者ごとに価格が異なります。一方、相続における企業価値評価は誰が算出しても結果は同じです。

 

非上場企業の場合、『原則的評価方式』と『配当還元方式』の2種類があります。

 

●原則的評価方式:株式の評価方法は総資産額・従業員数・取引金額で会社を区分し評価する

●配当還元方式:株式の所有で受け取る配当金を一定利率で還元し評価する

 

どちらを用いるかは、相続人が株式を取得した後の議決権割合といった要素により決まります。

次ページ主な手法と概要

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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