※画像はイメージです/PIXTA

立場が異なる複数の関係者が対象者を評価する「360度評価」。2019年から全省庁の課長級以上がこの評価制度の対象となったことでも一時話題となりました。導入する組織も増えるなか、実際にはうまく制度を運用できていないことが多いといいます。なぜなのでしょうか、みていきます。

 

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「360度評価」とは?

まず、360度評価がどのようなものかを改めて整理しましょう。360度評価とは、被評価者をその上司だけでなく、同僚、部下や他部署のメンバーなどさまざまな立場の人が評価する制度のことです。上も下も関係なく、被評価者の周囲にいる人全員が評価者になるので「360度」と呼ばれます。

 

こうすることで、被評価者が上司以外からどのようにみえているかを把握することができ、より詳細で正確な評価が可能となります。その人の実績をみるだけでは把握することができない、現場での協調性やリーダーシップの発揮状況などがわかってきます。また、複数の評価者がそれぞれの視点で下した評価ですので、被評価者の納得度も高くなる傾向にあります。

 

さらに、部下や同僚が評価者になるので、必然パワハラやセクハラなどのハラスメントの事案が発生しにくくなると考えられています。そうなると、よい上司を求めている現場スタッフやこれから入社しようと考えている人たちにも好印象を持ってもらうことができますので、離職の防止や採用にも効果が期待できます。

導入率30%超えだが…うまく機能していないことも

一説には50年ほど前から導入され始めたと言われる360度評価は、ここ最近ですっかり定番の評価方法になりつつあります。リクルートマネジメントソリューションズが、企業の人事担当者600名に対し、360度評価の活用実態を調査したところ、実に30%以上の企業が360度評価を採用していることがわかりました。

 

ただし、いま360度評価を導入している、あるいは過去に使用していた企業のなかに今後は実施しない予定と回答した企業もあり、すべての企業で360度評価がうまく機能しているわけでないこともみて取れます。また、同調査で注目したいのは360度評価を導入した理由です。

 

「他社と比較した際の自社の人材のレベルがわからないから」

「現場の社員から導入を求められたから」

といった、およそ積極的とはいえない理由が上位にきていることが気になります。

 

「人材のレベルがわかっていれば導入しなかった」

「本来違う方法を取りたかった」

と捉えることもできるからです。

 

つまり、360度評価を用いている企業は「評価制度を導入したいが、なにが適切なのかがわからない。そこでまずは多数派の意見を取り入れることにもなり、かつ人材のレベルを見極めるのにも役立ちそうだから」という考えを持っている企業が多いといえるでしょう。

参考:リクルートマネジメントソリューションズ「360度評価活用における実態調査結果を発表」2020年5月26日

 

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