組織には多くの場合「リーダー」の存在が必要ですが、そのリーダーの振る舞いによって、かえって組織の成長を止めてしまう危険性があると、大学野球日本代表も経験した異色の経営コンサルタント、中田仁之氏はいいます。では、そのような駄目なリーダーが「ついやってしまっていること」とはなにか、中田氏が解説します。
自分の発する言葉が周りに与える影響
あるご家庭での出来事を紹介します。お父さんは脱サラして飲食店を始めました。軌道に乗るまでとても大変で、深夜に帰宅し朝一番に出ていく生活が1年続いたそうです。その間、ほとんど休みもなく、お子さんと過ごす時間もほとんどありませんでした。
そして迎えたお父さんの誕生日、小学3年生のお子さんからの手紙に号泣したそうです。その手紙にはこう書いてありました。
「日本一おいしいカレーを作るお父さん、僕の夢はお父さんみたいに立派なカレー屋さんになることです。今度、僕にも作り方を教えてね」
忙しくてほとんど一緒に過ごせなかったのに、なぜ小さい子がこんなメッセージを残せたのでしょうか? それは、奥様がいつもお子さんにこう話していたからだそうです。
「あなたのお父さんは日本一のカレー屋さんなの。だからみんなが寝ている間もカレーを作っているんだよ、すごいよね!」
奥様の発する言葉の通りにお子さんが育っているのです。
あなたの発する言葉の通りに、部下が育っていくのです。ですから、リーダーであるあなたの何気なく発したグチや不平不満が、ご自身はもちろんあなたのチームに与える重大な影響まで考える必要があるのです。
中田 仁之
株式会社S.K.Y.代表取締役
中小企業診断士
株式会社S.K.Y.代表取締役/中小企業診断士
株式会社A.B.United代表取締役
内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」会員
2025大阪・関西万博共創パートナー
1969年大阪生まれ。
幼少期より野球一筋、関西大学在学時には体育会準硬式野球部に所属、大学選抜メンバーに選出され海外遠征を経験。「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、海外で君が代を歌うという経験を持つ。
卒業後、大日本印刷株式会社に入社、コンサルティング営業として20年間活躍後、2012年2月に株式会社S.K.Y.を設立。
「大好きな人に本気の応援を提供する」という企業理念を掲げ、上場企業から個人事業主まで幅広い顧客層を持つ。主な事業は販売促進に関するプロデュース業及び営業力強化・人材育成等のコンサルティング、さらに経営者やリーダー向けのビジネス講座を東京・大阪で主宰、企業からの講演依頼やリーダー育成プロジェクトの開発などの依頼が殺到している。
2020年5月、アスリートのネクストキャリアを支援する「日本営業大学(現Athletes Business United®︎)」という日本初のアスリートに特化した教育機関を設立、元プロ野球選手やJリーガーほかさまざまな競技に取り組む現役選手や引退した元アスリートから大学生まで、のべ300名のアスリートに対しビジネス教育を提供。就職や起業、地方創生や就農など1人ひとりに合ったネクストキャリアをプロデュースしている。
主な著書に、『困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント』(2018年株式会社ユサブル)。発売直後に重版となりロングセラーに。台湾、中国でも翻訳・出版された。
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