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「第二の人生って、離婚ってこと?」
「定年になったら、2人でゆっくり旅行でもしたいね」
56歳のK介さんがそう口にしたのは、息子の就職が決まり、春から一人暮らしを始めることが決まった頃でした。妻のR子さんは55歳。共働きで、世帯年収は1,800万円。いわゆる“子育て完了目前”のタイミングです。
しかし返ってきた言葉は、思いもよらぬものでした。
「あなたとは旅行に行っても楽しめないと思うから、別々がいいな。お互い第二の人生を楽しみましょ」
冗談めいた口調でしたが、K介さんの胸には深く刺さりました。
それ以来、K介さんは落ち着きません。「第二の人生」ってどういう意味だろう。離婚したい、ということなのだろうか。
本当は聞きたい。けれど、怖くて聞けない。もし「そうだよ」と言われたらどうすればいいのか。
そんな父の様子に気づいたのは、就職を控えた息子でした。
「父さん、最近元気ないけど大丈夫?」
本来なら夫婦の問題。息子に話すべきではない――そう思いながらも、K介さんはつい尋ねてしまいます。
「母さんが言っていた、“第二の人生”って本気なのかな?」
すると息子は、あっさりこう言いました。
「ああ、母さんそれよく言ってるよ。半分本気で、半分冗談だと思うよ」
真実は“離婚願望”ではなかった
後日、K介さんは意を決して妻に尋ねました。そこで分かったのは、意外な事実でした。
R子さんはもともと社交的で、一人行動が好きなタイプ。仕事柄、海外出張もたびたびあります。2年に1度は海外に出かけ、現地に住む友人を訪ねます。週末もよく学生時代の友人や仕事関係の知人とランチに行くなど交友関係は広いほうでした。そして海外に行く際は、K介さんも同行できるときは一緒に行っていました。
しかし、数年前にフランス在住の友人を訪ねた際、食事中にK介さんはスマートフォンを触り続け、会話にほとんど参加しなかったといいます。
「本当に恥ずかしかった。顔から火が出るかと思った」
R子さんはそう振り返ります。
その後も似たようなことが何度か続き、次第にR子さんは「夫を交えて友人に会う」ことをやめました。
今回の発言も、こういう本音から出たものでした。
「あなたは私とは違う性格だし、無理に付き合わせるのも悪いと思ってるの。一緒に楽しめる趣味は一緒にやればいいし、それ以外は別々でもいいんじゃない?」
さらにR子さんはこう続けます。
「私は定年後も再雇用で働くつもり。ずっと家の中で夫婦が一緒、っていうのは正直つらいよ」
どうやら離婚を考えているわけではなさそうでした。
