贈与税や住民税/所得税の違いとは?
贈与税は個人に課税する税金ですが、同じように個人に課税される住民税と所得税について解説したいと思います。
所得税について
所得税とは、暦年1月1日から12月31日までの期間における儲け(いわゆる所得)に対して課税される税金をいいます。
所得税と贈与税には以下の違いがあります。
「所得税」とは資産の譲渡や労働などによる役務提供をしたことにより、その対価としてもらうお金は譲渡所得や事業所得に該当し、所得税を納付する必要があります。
一方で、「贈与税」とは資産の譲渡や労働などによる役務提供に対する対価ではなく、個人からもらうお金は贈与に該当し、贈与税を納付する必要があります。
住民税について
住民税とは所得税と同じように前年の1月から12月までの所得に応じて納税額が決まります。
「住民税」は、所得に応じて決まる所得割と、一律に課される均等割から構成されており、この2つを合わせて「住民税」といいます。
住民税の課税対象が所得になるのに対して、贈与税は個人からもらう金銭などの資産に対して課税されるものとなります。
贈与を受けたら住民税/所得税に影響を与えるの? 「追加で課税対象となるのか」に関して解説!
贈与を受けた場合に住民税や所得税が課税されるのかという点について、結論から言うと住民税は課税されません。
所得税法第九条 第一項第十六号より、「贈与で得た所得は所得税に含まれない」と規定されています。
基本的に、住民税は所得税が課税されるものには住民税も課税されるという認識になります。
よって、所得税法第九条より、贈与により得た所得は所得税の対象ではないため、住民税も対象外という事になります。
贈与を受けた場合に課税される税金は、財産を取得した人に対して贈与税が課税されます。
よって、贈与を受けた際に住民税まで課税された場合には、贈与税と住民税の二重課税になるため、贈与が発生した場合には住民税は課税されません。
なお、贈与を受けた際、取得した財産が贈与税の基礎控除額110万円以上の場合には、贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告書を管轄の税務署へ提出する必要があります。