まずは「贈与税」について
まずは「贈与税」の基礎知識を、知っておく必要があります。
贈与税は、昭和22年にはじめて導入されました。
当時はその名の通り、贈与者に対して贈与した財産に課税されておりましたが、昭和28年に贈与税という名称はそのままにして、財産を取得した人に対して課税されることに改正されました。
「贈与」とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受託することによって成立する契約のことをいいます。
贈与の意思表示は書面でも口頭でもよいこととなっています。
書面によった場合は、一般の契約と同じように、これを取り消すことが出来ないものとされ、書面によらない贈与については、まだ、その履行の終わらない部分に限り、いつでも取り消すことができるものとされています。
贈与税には種類がある
贈与には、普通の贈与のほかに、特殊な形態の贈与として、定期贈与、負担付贈与、死因贈与が挙げられます。
そして、贈与税とは、財産が贈与により移転する際に、その財産の受贈者に課される税金になります。
また、贈与税は基礎控除額110万円があるため、財産が110万円以下の場合には贈与税が非課税となります。
贈与税の課税方法は、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、適用要件に該当すれば相続時精算課税を選択することが出来ます。
「暦年課税」と「相続時精算課税」
暦年課税とは、暦年である1月1日から12月31日の間に贈与を受けた財産の価額の合計額から110万円の基礎控除を行った課税価格に10%から55%の累進税率を乗じて贈与税額を計算する課税方式になります。
相続時精算課税とは、親から子への贈与について、贈与時には、この課税制度に基づく課税価格(特別控除額は累積で2,500万円)及び税率(一律20%)で計算した贈与税を納付します。
その後、贈与をした親の相続が開始したときに、この課税制度を適用した財産を、相続財産に加えて相続税を計算し、既に納付した贈与税を相続税から控除することで相続時に精算するものです。
課税制度を選択するには届出が必要
この課税制度を選択するためには届出をする必要があります。
贈与税は暦年1月1日から12月31日までの期間に贈与を受けた場合に、翌年3月15日までに管轄税務署へ申告する必要があります。
贈与税の申告者は財産を取得した受贈者であり、税率は累進課税となっており、10%から55%と、取得財産が高額になればなるほど税率も高くなります。
以上が贈与税の概要となります。次に贈与税と似て非なる税金として、住民税や所得税について解説していきます。