(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

遺贈とは

遺言者(被相続人)の遺言によって、所有している財産を移転する方法を「遺贈」と呼びます。遺言者は誰にどんな財産を移転するか、一方的に決めることができます。遺贈を行うには遺言書を作成する必要があります。

 

遺贈には次の4種類があります。

 

・包括遺贈:遺産の全部または一定の割合を与える遺贈

 

・特定遺贈:遺言者が指定した分の相続財産を与える遺贈

 

・負担付遺贈:一定の負担(例:親の介護等)を課し、それが履行された場合に財産を与える遺贈

 

・後継ぎ遺贈:遺言の効力が発生後、遺産を受け取った人が死亡した場合、遺言者の指定した人に目的物を与える遺贈

死因贈与とは

死因贈与は贈与者が死亡した後、あらかじめ指定した財産を贈与する方法です。基本的に特定財産を贈る内容の契約ですが、包括的な贈与もできます。

 

ただし、契約を締結する際には受贈者(贈与を受け取る人)の合意が必要です。

 

死因贈与は双方の合意により口頭でも契約締結できますが、後日のトラブル防止のため「贈与契約書」を作成した方が安心です。

 

また、死因贈与を執行するため、執行者(死因贈与の手続きを進める人)の指定も可能です。執行者がいれば不動産の所有権移転登記の際、受贈者と協力して手続きが進められます。執行者は受贈者本人を選んでも構いません。

 

一方、執行者を選任していないと執行の際、相続人全員の協力が必要になります。

遺贈と死因贈与の違い・共通点とは‖それぞれのメリットとデメリットを解説!

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ここでは遺贈と死因贈与の特徴を比較し、メリット・デメリットを解説します。

 

遺贈と死因贈与の比較

それぞれの共通点、相違点は下表のとおりです。

 

項目

遺贈

死因贈与

贈与方法

遺言書の作成

口頭の約束でも可能

※ 契約書で書面化した方が安全

法的性質

単独行為

契約(当事者の合意)

財産の贈与者

遺言者(15歳以上の者)

原則として成年

  • 2022年4月~:18歳以上
  • それ以前:20歳以上

※ 未成年の場合、法定代理人の同意が必要

財産を受け取る人

遺言者が指定した受遺者

※ 相続人以外の指定可能

贈与契約を結んだ受贈者

効力発生時期

遺言者の死亡時

贈与者の死亡時

負担の発生時期

遺言者の死亡後に限定

生前負担も可能

債務の承継

包括遺贈の場合

承継しない

贈与者の撤回

自由な撤回が可能

相手方(受贈者)の同意が必要

受遺者(受贈者)の拒否

一方的に拒否可能

合意した以上、基本的に拒否できない

※ ただし、受贈物の権利を放棄可能

税金

主に相続税

主に相続税

 

次ページ遺贈と死因贈与のメリット・デメリット

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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