※画像はイメージです/PIXTA

後継者問題解決のために、「M&A」を選ぶ企業が増えています。M&Aを進める際、多くの場合はまず最初に仲介会社、FAなどの専門家へ相談をしますが、これらを相談相手に選ぶときは注意が必要です。みていきましょう。

事業承継の前に経営者がすべきこと

経済産業省によれば、70歳以上の経営者は日本に245万人もいて、その約半数が後継者未定であるそうです。いつか来る事業承継のために、経営者はどのような準備をしておけばよいのでしょうか。

 

「株主」目線での経営

現在、「株主兼代表取締役」である人は多いでしょう。これは、いってみれば株主と代表取締役の役割を1人の人間が同時進行させている状態です。株主の目的は出資(資本金)したリスクに対して、いつかリターンを得たいということ。リターンには、配当、株の値上がり益、キャピタルゲインなどがあります。

 

ただ、1,000社以上の経営者と関わってきた私の経験から言って、非上場企業のなかで配当を出している会社はほんの一握りです。つまり、大半の経営者が株主としてリターンを得るタイミングは、「持っている株を誰かに譲渡するとき」です。

 

倒産もしくは自分自身で会社をたたむ決断をしない限りは、いまもっている株を遅かれ早かれ誰かに譲る意思決定をしなければいけないときが来ます。そして、そのことに気が付く瞬間は、人によってばらばらです。私が思うに、自分の身に病魔が襲いかかってきたときや不慮の事故に遭ったときを除けば、年齢が65歳以上になってその重要さに初めて気が付くというパターンがほとんどでしょう。

 

株主としてのリターンを得たいのであれば、手遅れになる前にいまからやらなければいけないことがあります。それは、企業価値を上げるための意思決定をし続けていくことです。株主目線で経営をしていくことと言い換えられますね。多くの経営者は3年、5年、10年後の未来よりも、今月や今期の売り上げ、利益に目が向かいがちです。もちろん、それも重要ではありますが。

 

自社の分析

企業価値を上げるための意思決定をし続けていくことで、売りたいと思ったときに売れるようになります。最近では、M&A(企業買収)も活発になってきていますから、そのときが意外とすぐに来るかもしれません。もちろん、自社に魅力がなければM&Aで会社を売却できません。そこで、まずは下記のように自社の分析をしましょう。

 

・自社の強み、弱み、自分達の経営能力はなにか

・将来どういうポートフォリオ戦略を組んでいけるのか

・財務体質、財務状況

・事業計画の妥当性

・不良資産、簿外債務の整理

 

PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)といわれるM&A後の統合プロセス(経営統合、業務統合、意識統合の3段階)は、事業承継をする売り手側であってもいまから準備していく時代に突入していきます(セラーズ・デューデリジェンス)。3年、5年、10年後のなりたい姿を明確にして、いまからなにをしなければいけないのかを考えてみてください。

 

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本記事は株式会社識学の識学総研のブログ・コラムを転載したものです。

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