(写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった人の財産には相続税がかかりますが、その税金の計算はどのようにすればよいのでしょうか? 本記事では、亡夫の財産2億5,000万円を相続したケースを中心に、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が相続税について詳しく解説します。

相続税額を抑えられる特例

相続税には、相続税額を抑えることができる特例が存在します。ここでは、特に税額への影響が大きくなりやすい2つの制度について、概要を解説します。なお、これらはいずれも相続税の申告しなければ適用することはできません。そのため、これらの特例を使った結果として税額がゼロになる場合であっても、申告書は提出すべきであることに注意してください。

 

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、要件を満たすことにより、相続税の計算において土地を最大8割減で評価することができる特例です。特例の対象となるのは被相続人の自宅敷地のみならず、事業用の建物が建っている土地や賃貸物件が建っている土地も含まれます。小規模宅地等の特例の適用を受けることによって、相続税額が大きく減額できる可能性があるため、相続税がかかりそうな場合には、ぜひ適用を検討したい特例の1つです。

 

配偶者の税額軽減

配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者がその相続で受け取った財産のうち、次のいずれか高い金額までにかかる相続税が無税となる特例です。

 

・1億6,000万円

・配偶者の法定相続分相当額

 

たとえば、上述した例のケースでは、配偶者の相続税額が「2,382万円」と算定されています。しかし、例では配偶者が相続した財産は「1億5,000万円」であり1億6,000万円以下であるため、この特例を使うことにより、実際に配偶者が支払う相続税はゼロとなります。このように、配偶者の税額軽減を最大まで活用すればその相続での相続税はかなり多く軽減できるでしょう。

 

ただし、配偶者があまり多くの財産を相続してしまうと、その後配偶者が亡くなった際の相続税が高くなってしまう可能性があるため、次の相続までを踏まえて配偶者の取得金額を検討する必要があります。

まとめ

相続税の申告は、10ヵ月以内に行わなければなりません。そして、原則としてそれまでに誰がどの遺産を相続するのかを決める必要があります。申告期限までにやるべきことから考えれば、10ヵ月の期限は決して余裕があるものではありません。遺産分割協議をスムーズにまとめ、期限内に申告を終わらせられるか不安な場合には、早い段階から弁護士などの専門家へご相談ください。

 

 

堅田 勇気

Authense法律事務所
 

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