(写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった人の財産には相続税がかかりますが、その税金の計算はどのようにすればよいのでしょうか? 本記事では、亡夫の財産2億5,000万円を相続したケースを中心に、Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が相続税について詳しく解説します。

相続税がかかるかどうかの判断基準

相続税は、すべての相続にかかるわけではありません。上述した相続税の対象となる財産の合計額(「課税価格の合計額」といいます)が一定額以下であれば、相続税はかかりません。

 

判断基準は「3,000万円+600万円×法定相続人数」

相続税が無税となるかどうかは、課税価格の合計額が次の式で算定する相続税の基礎控除額を超えるかどうかによって決まります。

 

相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

この式に当てはめて計算すると、法定相続人の数ごとの基礎控除額は、次のとおりです。

 

・1人:3,600万円

・2人:4,200万円

・3人:4,800万円

・4人:5,400万円

・5人:6,000万円

・6人:6,600万円

 

課税価格の合計額が相続税の基礎控除額を超える場合には、相続税がかかります。一方で、課税価格の合計額が相続税の基礎控除以下であれば、相続税はかかりません。

 

基礎控除額を計算するときの注意点

相続税の基礎控除額を計算する際には、次の点に注意しましょう。

 

■養子の数には算入制限がある

養子は、実子と同じく相続人となり、相続での権利も実子となんら変わりありません。ただし、相続税の基礎控除額を計算する際の法定相続人の数に算入できる養子の数には、次の制限があります。

 

実子がいる場合:1人まで

実子がいない場合:2人まで

 

これは、養子を無数に増やすことにより相続税の基礎控除額を無限に拡大するような極端な課税逃れを防ぐために設けられている規定です。

 

■遺産のわけ方や遺言の有無、相続放棄などによって変動しない

相続税の基礎控除額の計算で使うのは、「法定相続人の数」です。法定相続人とは法律(民法)で定められている相続人のことを指します。そのため、その相続で実際には財産を受け取らなかった人がいる場合や、遺言によって相続人以外の人が財産を受け取った場合であっても変動しません。

 

また、相続放棄をした人がいても、放棄がなかったものとして法定相続人をカウントすることとなっています。

 

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