(※写真はイメージです/PIXTA)

1990年後半生まれの「Z世代」。企業は、新型コロナウイルスの流行により、就職直前の学生生活でリモート授業を受けていた「Z世代の新入社員」の対面コミュニケーション能力を不安視しています。これからの新入社員に、企業はどのような教育をしていくべきなのでしょうか? みていきます。

 

対面コミュニケーションが不安視される最近の新入社員

新型コロナウイルスの拡大を受け、2020年には大学や専門学校を始めとする教育機関の多くは対面での授業を止め、オンライン授業に舵を切りました。2020年卒以降の学生を受け入れた企業からは、最近の新入社員は以前にも増して「お客様のサインをキャッチすることが苦手」、「指示をただ待っている」といった傾向を聞くようになりました。

 

来年、就職を予定している2023年卒の学生の多くは、大学入学後1年を経たずにコロナ禍に置かれ学生生活やアルバイトなどあらゆる活動を制限されてきました。このような学生を来年度迎えることになる企業の人事担当者からは、より一層新入社員のコミュニケーション能力を不安視する声があがっています。

 

特に、私がクライアントとして多く抱える、飲食/小売り/ホテルなどのいわゆる「サービス業」は、接客という対面コミュニケーションの質が売上獲得に大きく影響するため、コミュニケーション能力の低下は非常に重要な課題です。では、このような学生と円滑にコミュニケーションを取り、育成していくためにはどうすればよいのでしょうか。

“Z世代”の教育方法…ポイントは「承認」

来年の新入社員を含む、1990年後半生まれは、“Z世代”と呼ばれています。この世代は、物心ついたときから、パソコンやスマホが身近にあり、スマホですぐに情報を取ることに慣れているため、効率のよさを求めたり、知識が豊富で論理的な特徴があります。そのため、「ただ言われたからやる」というのはとても苦手な世代で「なぜやるのか」といった理由の説明や、そのマニュアルやルールができた背景をしっかりと伝えることが効果的です。

 

また、この世代は我慢を強いられた経験が少なく、家庭や学校で本人の意思を尊重される風潮のなかで育ったため、納得していないことに対しては本来の力を発揮しづらい傾向があります。ゆえに、お客様や会社に迷惑をかけない程度のことであれば許容してあげて、本人の価値観を尊重することもひとつの手です。

 

ここで勘違いしてほしくないのは、「会社として譲れない価値観も譲れ」ということではありません。会社として大切にしたいことはきちんと理由を説明してあげることが、理解を得るために大切です。伝え方としては、なるべく一方的な話にならないよう、どう思うのか意見を聞きながら話を進めるなど対話することを心掛けたほうがよいでしょう。

 

また、Z世代はSNSで「承認」され慣れている特徴もあります。そのため、承認されないことや無視されることに対するストレス耐性が低いともいわれています。対策としては、ちょっとした承認をしてあげることが効果的です。たとえば、教えたことができていたら、一言「できてるね」と、いわば、SNSで“いいね”をする感覚でフィードバックすることが有効でしょう。

 

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