(※写真はイメージです/PIXTA)

繁盛店は顧客が入店してから退店するまでの間に「どんなストレスがあるのか」を理解しているため、先に手を打ちストレスの表面化を防ぐことができたので繁盛するのです。コンサルタントの成田直人氏が著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

繁盛店ほどお客の不満の原因を知っている

■お客様は各プロセスにどんなストレスを抱える可能性があるか?

 

入店してから退店するまでの間のプロセスを明確にすることができたら、各プロセスにどんなストレスが潜んでいるのかを検討します。

 

これまでにさまざまな業種でこのストレスを挙げるワークショップを開催してきたのですが、共通していたのは繁盛店(高い顧客満足度の店舗)であればあるほどこのストレスがたくさん出たことです。

 

理由は、顧客が入店してから退店するまでの間に「どんなストレスがあるのか」を理解しているため、先に手を打ちストレスの表面化を防いできたからこそ繁盛していたからです。繁盛店舗の暗黙知(なんであの店だけ売れているのか?)の解が出た瞬間でもありました。

 

例えば、「入店時挨拶」にどんなストレスがあるか考えてみてください。もしあなたがお客様で、商業施設のアパレル店舗に入った瞬間の対応で感じるとしたらどんなストレスでしょうか。

 

よくあるのは、「感じ悪いなぁ……」です。

 

それこそ、

 

①挨拶がない
②声が小さい
③作業しながらの挨拶で全く心がこもっていない
④笑顔がない
⑤従業員同士がしゃべっていてこちらに気づかない

 

ということがあるでしょう。

 

これはアパレルに限らず多くの店舗ビジネスに当てはまるのではないかと思います。

 

例えば、午前中の店内を想像してみてください。よくあるのは入荷商品を検品して店内に品出しをする作業です。しかし、すでに店舗はオープンしています。段ボールを店内で開梱してせっせと品出しをしています。そこにお客様が来店しました。作業に夢中になっていて挨拶すらない、挨拶をしても段ボールに向かって挨拶をする、というような状況で、歓迎されているとは思えないでしょう。

 

繁盛店の店長は、「入店時挨拶」1つをとってもたくさんのストレスを発見することができます。逆に私が挙げた中でも1つしか思い浮かばなかったということは他のストレスに気づいていない可能性があります。

 

入店時からストレスを与えてしまうと、顧客の警戒心は強まり「こんな感じの悪い店で買い物したくない」と単価も成約率も落ちてしまいます。売れない店はなぜ売れないのかを長年研究していますが、一つは顧客ストレスが大きいことが理由と言えます。

 

前項でお話ししたプロセスの明確化ですが、10プロセス以上出ていると思います。この各プロセスに最低でも3つのストレスを明確にすることができるとよいです。

 

もちろん「笑顔がない」といったワードは「入店時挨拶」で使っていて、「試着時」でも同様に「笑顔がない」というのもありです。ストレスは重複しても問題ありません。

 

ただし2回までです。理由は、すべての項目でも使えてしまう可能性があるからです。特に「笑顔がない」というストレスは顧客満足度低下を引き起こすプロセスで使うことをおすすめします。

 

次ページ「顧客ストレス」をスタッフ全員で考える

※本連載は成田直人氏の著書『お客様を「集める」から「集まる」へ 口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を罰すし、再編集したものです。

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

口コミだけで繁盛店を作る究極の集客術

成田 直人

日本能率協会マネジメントセンター

広告費をかけて集客をするのが、これまでの店舗ビジネスの勝ちパターンでしたが、小売・サービス・飲食など、店舗にかかわるすべての業界において、広告の費用対効果が合わなくなってきており、それにともない一人の顧客の獲得…

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