11月は「金利低下・株価上昇」
2022年11月は、ほぼ1ヵ月を通じて、米国のインフレ率鈍化と利上げ幅鈍化に注目が集まり、マーケットはそれら両方への期待から、金利が低下し、株価は上昇しました。
主な出来事は次のとおりです。
・イランが、ロシアに短距離弾道ミサイルや攻撃用ドローンを含む、約千の兵器の供与を準備との報道。
・米アマゾン・ドット・コムが今後数カ月にわたる人採用の凍結を発表(→その後、1万人規模の人員削減計画が明らかに)。
・米連邦準備制度理事会(FRB)が金融安定性報告書で、米国債の流動性低下やドル高に伴う金融市場の急変動リスクを指摘。
・米ツイッターのイーロン・マスクCEOが従業員の約5割を対象にした人員削減を実施。
・米メタが1.1万人規模の人員削減を発表。
・中国で、新型コロナウイルスの感染者が増加。
・ロシアが、ウクライナ南部ヘルソン州の4分の1を占める要衝から撤退(→ドニプロ川の東岸へ撤退)。
・米中間選挙で、「レッド・ウェーブ」が起きず、民主党が上院の過半数を確保(→ジョージア州の決選投票では民主党候補が勝利。シネマ上院議員が離党するも、上院では民主党が過半数を確保)。
・中国政府が、不動産市場に対する包括的な金融支援策を発表。
・暗号資産交換業大手のFTXトレーディングが破綻。
・日本で、次世代半導体の国産化を目指す新会社Rapidusが設立される。キオクシア、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、トヨタ自動車、NTT、NEC、三菱UFJ銀行の8社が出資。
・トランプ前大統領が、2024年の次期大統領選挙への出馬を表明。
・ポーランドにミサイルが着弾し、2人が死亡(→ウクライナとNATOの見解に相違)。
・ロシアが、黒海の輸送回廊を通じた穀物輸出を可能にする合意に復帰。
・米マイクロン・テクノロジーが、半導体メモリーの2割減産を発表。
・北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を日本海に発射。
・米ツイッターのイーロン・マスクCEOが、2024年の次期大統領選挙で、共和党のデサンティス・フロリダ州知事を支持すると表明。
・台湾で統一地方選挙が実施され、蔡英文総統率いる与党の民進党が敗北。党主席の辞任を発表。
・米国の11月の雇用統計は、雇用者が前月から26.3万人の増加。
・ロシアのプーチン大統領が、ドイツのショルツ首相と電話会談し、米欧諸国によるウクライナ支援の停止を要求。
・G7諸国と欧州連合、オーストラリアは、ロシア産原油に1バレル60ドルの価格上限設定で合意。
・OPECプラスが11月に始めた日量200万バレルの減産に関する12月中の継続で合意。
・中国でゼロコロナ政策が緩和される。
・ロシア各地の軍事基地でドローン攻撃が相次ぐ。米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は、関与を否定。ウクライナによるロシア領土の攻撃を支持しないとも述べた。
・インドのモディ首相が、ロシアのプーチン大統領との年内会談を中止する意向。
・ロシアのプーチン大統領が、核兵器を先制使用しないという軍事ドクトリンを正式に変更する可能性を示唆。また、西側諸国によるロシア産原油の上限設定に鑑み、原油減産を示唆。
重見 吉徳
フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト
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