
決算書の実践的な読み方として、1つの企業を時系列で見る「時系列分析」がある。異なる年の業績を比較することによって、その数値が大きくなっているのか・小さくなっているのか、その原因は何かを探っていくアプローチだ。本稿では、大手町のランダムウォーカー氏の著書『世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』(KADOKAWA)より、エーザイの時系列分析を紹介しよう。
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時系列分析で注目すべきは「転換点」と「異常値」
時系列分析の際に、「どこを見ればいいかわかりません」「数字は全て見なければいけないのですか?」という質問をよくいただくのですが、実は、重点的に見なければいけないポイントというものはある程度絞ることができます。
「数字の動きの裏側で、企業ではどのようなことが起こっているのか?」を一緒に読み取っていきましょう。
![イラスト:わかる 出所:大手町のランダムウォーカー著『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』(KADOKAWA)](/mwimgs/4/4/640/img_440b8d5d2a145b90be842fe03dca561f194390.jpg)
イラスト:わかる
出所:大手町のランダムウォーカー著『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』(KADOKAWA)
学生くん「時系列で分析する重要性はわかったんですけど、数字の羅列を見るとどこを見ればいいのかわからなくなっちゃうんですよね…。」
営業さん「うーん、確かに。最初の年から順に見ていくとしても膨大な時間がかかってしまいますよね。」
大手町さん「そうだね。どこで何が起こっているのかを確認するためには数字を見なければいけないんだけど、情報が多くなってしまうと、どこを見ればいいのか迷ってしまう人が多いんだ。そこで、時系列分析の応用編として、『時系列で数値を見る時の重要なポイント』を2つ紹介していくよ。」
時系列分析のポイントは大きく2つあります(図表2)。
1つ目が転換点です。たとえば下の図を見てもわかる通り、売上高が右肩上がりになっていたものの、あるタイミングで減少トレンドに転じた企業があったとします。その場合、切り替わったタイミングに企業の中では絶対に何かが起こっているはずなので、そのポイントを見ていくというのが転換点の読み方です。
もう1つが異常値です。たとえば売上高の推移がずっと一定で動いていたにもかかわらず、あるタイミングでいきなり減少してしまった企業があったとします。他とは明らかに違う動きが出た時には、そこで何か異常なことが起こっているのではないかと考え、その年を重点的に見ていくことで、企業で何が起こったのかがわかる、というのが異常値の読み方です。
本稿では、実際の企業の事例を見ながら「異常値」の読み方を紹介していきます。
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