セミナー中の座談会で意見を交わす国内外の専門家たち(VNS写真)

ベトナムの現地メディア『Viet Nam News』より、ベトナム文化や社会における特に経済・金融に関する事象を多角的に分析・解説した記事を厳選。翻訳・編集してお伝えする。

ベトナムのGDP成長率予想は7.6%、今年1〜9月は11年ぶり高水準へ

HSBCホールディングスは2022年のベトナムのGDP成長率予想を7.6%に引き上げ、2022年第3四半期のベトナムのGDPは、前月同時期と比較して13.67%増加した。

 

エコノミストたちは、「ベトナムの現在の成功は運ではない」と断言した。彼らによると、早期かつ周到な準備が成功の要因である一方、多くの問題を改善する必要性もあるという。火曜日、HSBCがハノイの会場で開催した「マーケットアウトルック2022」のセミナーで語られた。

 

セミナーで参加者は、新型コロナウイルス流行中のベトナムを振り返り、国の現在と将来の経済状況を見るために意見や見解を述べた。

 

セミナーの冒頭、HSBCのCEOであるティム・エバンス氏は、「世界的課題に直面したにもかかわらず、ベトナムは非常に勢いがあり、GDP成長率の点で多くの地域を上回っている」と述べた。

 

HSBCは、2022年のベトナムのGDP成長率予測を7.6%に引き上げた。2022年第3四半期ベトナムのGDPは、ベトナム経済がコロナ禍によって深刻な影響を受けた前月の同時期と比較して13.67%増加した。

 

広範な景気回復により内需が回復し、製造業と輸出は轟音を上げ続けている。その結果、今年1〜9月の成長率は8.83%と、11年ぶりの高水準を記録した。

 

エバンス氏によると、9月上旬にMoody's(アメリカの民間企業で、米大手債券の格付け機関業務を行う。スタンダード&プアーズ (S&P)と並ぶ2大格付け会社の一つ)がベトナムをBa2に格上げした。S&Pによる格上げに続き、ベトナムは現在、投資適格より1ノッチだけ低い水準にある。フィッチ(ニューヨークとロンドンに本拠を置く民間格付け会社)は2018年5月にベトナムをBBに格上げし、現在、ベトナムのBB格はポジティブな見通しとなっている。

2030年までに予想されるベトナムの姿

低中所得のベトナムは、2045年までに高所得に到達し、先進国になることを目標としている。現状、アッパーミドルクラスは2030年までに平均17%成長すると予想されており、さらにベトナムは、2030年までにドイツやイギリスよりも大きな「世界第10位の消費市場になる」とエコノミストの間で言われている。

 

また、製造業の景況感を示すPMIは、9月に52.5を記録した。この数値は前月と比較して低下はしたものの、ASEAN全体の改善傾向を受け、ベトナムの製造業の状況も大きく改善し、製造業部門の健全性が向上していることは間違いない。

 

エバンス氏は、LinkedInに寄せられたあるコメントを思い出していた。「アメリカはチャンスの国だと言われるが、ベトナムにはチャンスの人々がいる。違いを生むのは人だ」。

 

「これは、ベトナムの人々がコロナ禍に上手く対処し、一丸となって経済を再構築したということ。さまざまな点において高みと低み両方を経たからこそ、歴史を通じて目の前にあるすべての困難を克服したことが示されています」とエバンス氏は述べた。

次ページ「楽観主義ではないか」との声も

この記事は、GGOが提携するベトナムのメディア『Viet Nam News』が2022年10月26日に掲載した記事「Việt Nam among the fastest growing economies despite difficulties: economists」を翻訳・編集したものです。

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