中国市場の11月動向と12月の見通し
11月を振り返る…政策を好感、上海は2ヵ月ぶり高値
11月の中国市場で各指数は買い優勢の展開。上海総合指数は16日に約2ヵ月ぶり高値となる3,145ptまで上昇し、深セン成分指数も同日に11,385ptまで買われた。
ゼロコロナ政策の一部見直し(11日発表)や不動産業界の金融支援策(23日公表)への期待感が後押し材料となった。
25日には預金準備率の引き下げ(12/5から0.25%引き下げ)が発表されている。一方、新型コロナの感染急拡大による経済活動の停滞懸念が相場の重しとなった。
外資によるA株買越額は491億元(月初~11/25まで)と10月の573億元売り越しから一転し、買戻しの動きが進んだ。
12月の見通し…値固めが先決、どうなる年末消費
■深セン成分指数…10,000~12,500pt
12月の中国市場で各指数は値固めから上値を目指す展開を予想する。
ゼロコロナ政策をめぐる中国各地での抗議デモや移動規制の強化などが相場の変数となろう。
年内開催予定の中央経済工作会議でデジタル経済の成長が再強調されれば、サイバーセキュリティ大手の啓明星辰信息技術集団(002439)などが物色されそう。
例年、年末や春節(旧正月、今回は23/1/22)前後は旅行関連が盛り上がるため、中国旅遊集団中免(601888)なども注目されそうだ。
もっとも、コロナの感染状況次第で消費全体が冷え込むリスクもあり、楽観視はできない。
龔 静傑
東洋証券香港現法亜洲有限公司
中国株アナリスト/香港ストラテジスト
山藤 秋男
東洋証券株式会社上海駐在員事務所
中国株アナリスト/ストラテジスト
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