多くの日本の政治家は“政治屋”である
■日本政治の抜本的な改革が必要だ
かつては「日本の経済は一流、政治は三流」と言われてきたが、一流と言われた経済も三流の政治の影響で二流の経済になる可能性がある。かつては政治が三流であっても、一流の日本企業が頑張って一流の経済を実現していた。しかし、失われた30年を経て、一流の企業が諸外国の企業に敗北を喫するケースがだんだん増えてきている。電機産業や半導体産業が典型的である。
米国や中国をはじめとして主要国のなかで成長力が最低なのが日本である。ひとりあたりの国民実質所得が低下しているのも日本だけだ。失われた30年の責任の相当の部分は三流の政治にある。
また、「日本の政治は三流だが、官僚が一流だからもっている」と言われてきた。かつての優秀な官僚は、「自分が日本を動かしている」という矜持をもって安月給の長時間勤務に耐えて奮闘してきた。しかし、いまや官僚の劣化は激しく、とても一流の官僚とは言えなくなってきたのではないだろうか。ついに三流の政治を支える一流の経済も一流の官僚も存在しないのが現在の日本の姿ではないのか。ならば、政治が一流になるしかない。
「多くの日本の政治家は本来の意味の政治家ではなく“政治屋”だ」と言う人がいる。私は「政治屋は次の選挙のみを考えるが、真の政治家は日本の将来を考える」と思っているが、日本の将来よりも自らの生活を優先する政治屋がなんと多いことか。そういう政治屋が中国のハニートラップやマネートラップに引っかかり、中国の代弁者になるのだ。
とくに政権与党の議員は奮起しなければいけない。議員一人ひとりが、厳しい国際環境のなかで日本が存在感のある国家として生き残るために何をしなければいけないかに集中すべきである。
■親中の政権与党・公明党の問題
中国共産党の機関紙である『人民日報』には、いかに公明党が親中であるか、いかに日本政府を親中に導いているかを記述した論考が掲載されている。筆者は日本の創価大学元教授で中国の復旦大学日本研究センター研究員でもある汪鴻祥氏だ。
〈日中国交正常化を実現させている真の功労者は公明党である。公明党が政権与党の一翼を担うことには非常に大きな意義がある。なぜなら自民党を対中友好に導いていくことが可能だからだ。
公明党は常に中国と緊密に連絡を取り合い、自民党の一部の保守系政治家に対して、日中関係の正しい方向から外れた言動を慎むように圧力をかけてきた。この功績は大きい。今後も日中関係において、公明党が日本の政党を対中友好に導いていくという役割は計り知れなく大きい。〉
政権与党の一角である公明党は、憲法第九条改正に反対し、いわゆる敵基地攻撃能力にも反対し、「防衛費GDP2%」に反対するなど、日本の安全保障上の障害になっている。
公明党の親中国の姿勢は度を越している。2021年6月、自民党の外交部会を中心に提案された新疆ウイグル自治区での人権侵害を非難する決議案に対して、国会での決議に前向きではなかった。最終的に、自民党の幹事長らの親中・自民党議員の反対もあり、中国非難決議案の通常国会での採択が見送られたのは、日本の与党の限界を露呈している。