前回は、優良な収益物件の取得に欠かせない「パートナー」の存在について説明しました。今回は、優良な不動産会社を見極める3つのポイントを見ていきます。

地元の金融機関と長期にわたる取引があるか?

今回は、優良なパートナーとなる不動産会社を見極める3つのポイントを見ていきます。

 

①地元の金融機関と取引があること

 

まず信用という点から考えるとその会社のある地元の金融機関と取引があることを確認する必要があるでしょう。

 

オーナー社長の多くがご存じのとおり、地元の地方銀行・信用金庫は信用で融資をしています。そのような金融機関から借り入れをしていて長期にわたって取引があるということは、一定の信用になります。特に金融機関引き受けの私募債を発行しているようであれば、信用度は高いと判断できます。

 

もし読者の皆さんが地元の金融機関と取引があれば、そのような不動産会社を紹介してもらうことも可能でしょう。

 

筆者は輸入中古車をよく買うのですが、ディーラーは地元の金融機関に紹介してもらって長くお付き合いをしています。輸入中古車という分野は、事故車を平気で売ったり、メーターを巻き戻したりと、ある意味ちょっと怖い部分のある業界です。そのような業界で取引をするためには信用が大切なので、地元の金融機関に紹介をしてもらったというわけです。不動産にも同じことがいえると思います。

「賃貸管理戸数2000戸以上」も判断の目安に

②賃貸管理を行っていること

 

次に、賃貸管理を行っていることです。物件の販売だけで、あとのことは知らない、などという会社と取引をしたいでしょうか? 中古車を販売するけれども、壊れた場合のメンテナンスはしないといっているのと同じことです。筆者も輸入中古車を買うときには、きちんとメンテナンスをしてくれるかという点をディーラー選びのポイントにしています。収益物件も似たところがあるのではないでしょうか。

 

逆にいえば、不動産会社側も管理まで引き受けることによって、販売に一定のハードルが課されるのです。自社で管理しきれないような物件は、売ることができないということです。

 

さらに、賃貸管理をただ行っているだけではなく、本気で行っていることが条件になります。本気で、というと抽象的かもしれませんが、目安としては、2000戸以上の管理戸数がひとつの基準になります。それだけの戸数を事業として管理している会社は、本気だと判断していいのではないでしょうか。

 

③取引実績が豊富にあること

 

最後は取引実績が豊富にあるかどうかでしょう。収益物件の分野は特殊です。税務の知識、金融の知識、法律の知識、工事の知識など様々な専門的知識が要求されます。これらの専門的な知識・ノウハウを総動員することで有効な収益物件の活用につながるのです。

 

そしてこの知識・ノウハウは多くの取引経験によってしか身に付けることはできません。取引実績がそのまま知識・ノウハウとして提案に反映されてくるのです。目安として、収益物件の販売が100棟以上あるかどうかを確認しましょう。

本連載は、2014年8月30日刊行の書籍『会社の経営安定 個人資産を防衛 オーナー社長のための収益物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資・経営(管理運営)の成功を保証するものではなく、本連載を参考にしたアパート事業は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本連載の内容に基づいて経営した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、本連載に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後、変更されることがあります。

会社の経営安定 個人資産を防衛 オーナー社長のための収益物件活用術

会社の経営安定 個人資産を防衛 オーナー社長のための収益物件活用術

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

アベノミクス以降、景気は回復傾向を示していますが、利益を上げ続けるというのは簡単なことではありません。加えてオーナー社長を悩ませるのが増税です。 本書では、中小企業のオーナー社長に向けて、賃貸用アパート・マンシ…

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