(※写真はイメージです/PIXTA)

バイク置き場の不足や駐車場代の問題、ゲリラ豪雨による駐車場の冠水といった自然災害、インターネット接続の不具合など、複数の住人が生活する集合住宅にはさまざまなリスクが存在しています。では、こうした諸問題にはどのように向き合っていけば良いのでしょうか。マンショントレンド評論家として数々のメディアで発信を行う日下部理絵氏が、事例を交えて解説します。

おすすめしたい「機械保険」への加入

おすすめしたいのが、「機械保険」への加入だ。

 

管理組合では一般的に共用部分で起こるさまざまな事故に対応する「マンション総合保険」に加入していることが多いが、保険料が上がるため、水災害は不担保としていることも多い。

 

そもそも水災害は支払い条件が厳しい。河川の氾濫や高潮だけでなく、ゲリラ豪雨の損害も対象とされるが、床上もしくは地盤面より45cmを超える浸水などの条件がある。

 

もし水災害を担保する契約にしていても、今回の事例のように、地下ピットのある機械式駐車場で被害があった場合、地下で起こっていることなので支払条件から外れてしまう。

 

そのため、機械式駐車場を専用とした機械保険に追加で加入することで、機械式駐車場の水災害はカバーできることが多い。

 

実際に先ほどの被害に遭った管理組合では、事故後、年間約5万円で別途、機械保険に加入した。当時としては別途加入するケースは少なく、マンション総合保険の会社も含め複数社に掛け合い、ようやく加入できた保険(マンション総合保険とは別の保険会社)であった。

 

最近、そのマンションではまたゲリラ豪雨による冠水に見舞われ、機械式駐車場が故障した。さすがに車両の冠水被害はなかったが、その故障に対して1000万円の保険金がおりた。10年間で約50万円支払いはしているが、まさに備えあれば憂いなしとはこのことであろう。

 

さらにこのマンションでは、以前から地下の下段を使うことを怖がる人が多く空きが続いていたが、時代の流れでより空き駐車場が増えたことにより、撤去し埋め戻しを検討しており、数ヵ月先の通常総会に議題としてかける矢先の再冠水であった。

 

そのため、奇しくもこの保険金を撤去と埋め戻し費用の一部にあてることができた。なお、機械保険もさまざまな条件があるので比較検討すること、個々の車両保険への呼びかけも忘れずに行うようにしたい。

 

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※本連載は日下部理絵氏の著書『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

60歳からのマンション学

60歳からのマンション学

日下部 理絵

講談社

私たちは、本当にマンションを終の棲家にできるのか? 2030年、分譲マンション約780万戸のうち、築30年以上が過半数を超える。現在、安全・安心・快適なマンションへの永住指向が強まる一方、自らの老いとマンション老朽化…

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