(※写真はイメージです/PIXTA)

バイク置き場の不足や駐車場代の問題、ゲリラ豪雨による駐車場の冠水といった自然災害、インターネット接続の不具合など、複数の住人が生活する集合住宅にはさまざまなリスクが存在しています。では、こうした諸問題にはどのように向き合っていけば良いのでしょうか。マンショントレンド評論家として数々のメディアで発信を行う日下部理絵氏が、事例を交えて解説します。

豪雨の際に重要な「インターロック解除キー」

2008年には流行語大賞のトップテンにもなっていたが、ここ10年ほど毎年のように、局地的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)が全国各地で発生し、管理組合を悩ませている。

 

すぐにできる対策として機械式駐車場の使用者向けに、一斉にパレットが上昇し冠水リスクを軽減する、「インターロック解除キー」の操作方法の勉強会を実施するのは有効である。

 

もう10年以上前の話になるが、あるマンションで、インターロック解除キーの存在を住民が知らず、夜中に突然ふりだしたゲリラ豪雨のなか、機械式駐車場と車両が冠水するのを住民がただじっと見守っていただけということがあった。

 

結果として機械式駐車場は壊れ、異様な臭いのする車両がたくさん廃車されるという悲惨な状況になった。

 

もちろん、24時間緊急対応する設備業者や機械式駐車場のメーカーに現場にくるよう連絡し業者も向かってはいたが、ゲリラ豪雨が起こるような状況では街の道路も冠水し、迂回などして思うように現場にいけないことも多い。

 

その時もいつもの何倍もの時間を要していたし、他のマンションでも同様の呼び出しがあることも多い。

 

せめて気が付いた住民が、インターロック解除キーの存在を知っていれば、土嚢(どのう)やゴミ袋などの代用品を積んでいれば結果は違ったかもしれない。

 

解除キーを「ぬいぐるみ」に入れたワケ

そのマンションでは、事故後、管理事務室内の見えやすい場所にぬいぐるみを置きその中にインターロック解除キーを入れる運用をしている。解除方法は念のため、写真で手順を写しラミネート加工したものを管理事務室内に掲示してある。

 

なぜぬいぐるみなのかといえば、管理事務室のキーボックスの中では、鍵の本数がありすぎ(一般的に100本前後ある)、あわてて探すとわからないこともあるため、住民のアイデアでそのような運用になったという。また事故後、管理組合で土や砂が不要な水で膨らむ土嚢を購入し保管している。

 

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※本連載は日下部理絵氏の著書『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

60歳からのマンション学

60歳からのマンション学

日下部 理絵

講談社

私たちは、本当にマンションを終の棲家にできるのか? 2030年、分譲マンション約780万戸のうち、築30年以上が過半数を超える。現在、安全・安心・快適なマンションへの永住指向が強まる一方、自らの老いとマンション老朽化…

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