(※写真はイメージです/PIXTA)

お金持ちが事業で失敗した話はニュースで大きく取り上げられます。すると、「お金は怖いもの」というネガティブな印象ばかりが膨らんでしまいます。しかし、お金は悪いものでも怖いものでもありません。心理カウンセラーの山根洋士氏が著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)で解説します。

お金は欲しいものやしたい体験と交換する道具

両親が事業に失敗してつらい子ども時代を送った場合も、お金に対するネガティブなイメージが色濃く残ります。

 

事業の失敗だけではなく、親が会社からリストラされて生活が一変し、お金の苦労を強いられた場合も同様です。

 

また、遺産相続などで、お金をめぐるトラブルやいざこざがあった場合も、「お金って怖い」「お金って悲しい」といったお金にまつわるメンタルノイズが植え付けられます。

 

それまで仲の良かった親戚のおじさんとお父さんが、お金のことでケンカをするようになったら、子どもはお金を悪者にして当然です。「お金がなければ奪い合うことはなく、みんなで仲良くできていたのに」と考えてしまうのです。

 

今はもう放送していませんが、かつて何十年にもわたって放送されていた国民的時代劇では、必ずお金を持っている人が悪者でした。

 

悪代官に「お主も悪よのう」と言われながら袖の下から賄賂を渡したり、おまんじゅうが入った菓子折りの下に小判を敷き詰めていたり。

 

その悪事がバレてしまった結果、斬られて殺されるという…。

 

そういう展開がお決まりでした。毎週見ていたら、もはや洗脳レベルで、お金も、お金持ちも悪いものとして植え付けられます。

 

2時間もののサスペンスドラマでは、大富豪は開始早々に殺されます。

 

大富豪の邸宅や船上でのパーティーで、乾杯した直後に「キャー!」という悲鳴があがるとともに、主人である大富豪が血を吐いて毒殺されている、など、よくある展開です。

 

現実の世界でも、お金持ちが犯した犯罪や、事業などで失敗した話はニュースで大きく取り上げられます。

 

それだけ視聴者が注目する話で、事業で失敗した人たちは「お金があったころは自分を見失っていました」などと、やはりお金を悪く言いがちです。

 

お金がらみの犯罪として、詐欺、強盗、横領、恐喝なども、日々世界中で起きています。ニュースとして報じられるのは仕方がありませんが、その数があまりに多いのが問題です。見ている人の心の中で、「お金があるとロクな目に遭わない」「お金は怖いもの」というネガティブなイメージがどんどん膨らんでしまいます。

 

お金は欲しいものやしたい体験と交換する道具でしかなく、悪いものでも怖いものでもありません。お金を悪用する悪い人が存在しているだけです。それなのに、お金ばかりが悪者にされてしまうのです。

次ページ【メンタルノイズ】お金は苦労して稼ぐもの

※本連載は山根洋士氏の著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

山根 洋士

PHP研究所

あなたは今、自分の収入に満足していますか? 「今の収入に満足できていない」「なぜか思うように稼げない」「いつもお金に不安がある」……。 それは、あなたに努力や知識や才能が足りないからではなく、お金に対するメンタ…

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