人間に備わった危機回避能力の一つ
突然ですが、あなたはコップに半分入った水を見て「まだ半分もある」と思いますか?「もう半分しかない」と思いますか?
パッと見たときに「まだ半分もある」と思えなくて、「もう半分しかない」と思ってしまうのは、いわば認知のクセです。
これは人間に備わった危機回避能力の一つで、なんでも「ない」を基本設定にして行動したほうが危機な目に遭いにくくなります。
だから、半分なくなったことに目がいって、「もしこの半分もなくなったら…」ということを想定して行動します。
「ない」に反応しやすいため、不安をあおられやすいのも人間です。
お金のこともない状態を基本設定にしがちですが、本当にお金がないのか、今一度考えてみてください。
お金が本当に一銭もなかったら、この資本主義社会を生きていくことはできません。今生きている、また、今まで生きてこられた、という事実はお金がある、また、お金があった、ということを物語っています。
そもそも、今の日本でお金が本当にない状態を作るのは至難の業です。各種助成金に生活保護、自己破産など、国が経済的に支えてくれる制度が整っているからです。
「言われてみればたしかにそうかも。お金が一銭もない状態は、今まで経験したことがないな」と思った人は、今まで「お金がない」としていた人です。もしまた「お金がない」と思ったら、コップの水のたとえを思い出して「ある」に目を向けてください。
お金は大切に使う人のところに集まる
繰り返しますが、お金は世の中を流れているものですから、無理して貯めようとする必要はありません。
お金持ちになるには、お金を貯めようとするのではなく、流れをよくするほうに意識を向けることが正解です。
常に、生活や遊び、欲しいものを買うのに必要なお金が手元に流れてくればよくて、それがお金に困っていない理想的な状態でもあります。
無理してお金を貯めようとすると、お金に対する執着が生まれて、使うのが怖くなります。すると、欲しいものやしたいことをがまんする状況になって、ストレスが溜まっていきます。
がまんする分、お金は貯まりますが、ストレスも溜まるわけです。
その結果どうなるかというと、あるとき突如、これ以上がまんしたくない! と感情が爆発して散財してしまうのです。
よく自分へのご褒美と称してお金を使う人も、このパターンに陥っている可能性が高いでしょう。
お金のことをよく知らない人ほど、こうしたお金の使い方をしがちです。
お金の流れをいったん止めてバーンと勢いに任せて使うのは、お金をばら撒いているも同然です。お金を大切にしている、とはとても言えません。
お金のことをよく知らない人は散財して、お金のことをよく知り、大切に使う人のところにはたくさん集まってくる。
これは、お金の絶対的な心理法則です。
言い換えれば、お金をよく知らない人のお金が、お金をよく知って大切に使う人のところに流れていく、という見方もできるでしょう。