物事を選択する基準を急に上げようとしない
自分は自己肯定感が低めだから、高収入の仕事に就けないのか…。
そんなふうに落胆している人ほど、自己肯定感を取り戻すチャンスです。
なぜなら、自己肯定感の状態を自覚して自分の「現在地」を知ることは、自己肯定感を取り戻す第一歩だからです。
どんな問題も、そのことに気づいた時点で、すでに解決に向かっています。
くれぐれも、自己肯定感を高めたいがあまりに、物事を選択する基準を急に上げようとしないでください。今の自分を責めることになり、限界に達すると、反動で元の状態以上に自己肯定感が下がりかねません。
そうなると、「所詮自分が稼げるのはこの程度なんだ」「今の収入に満足はしていないけれど、がまんするのがお似合いだ」といじけたりすねたりして、「お金の受け取り拒否」が再発動してしまいます。
「お金の受け取り拒否」の解除は、徐々に行うことが重要です。
そこでまず、心理学的にお金とはどういうものなのか、ということを学んでいきましょう。
お金をたくさん稼ぐには勉強や努力、スキル、人脈なども必要ですが、それらはお金を稼ぐ手段にすぎません。
心が「お金の受け取り拒否」をしたままでは、何を身につけても稼げないまま。
心の在り方が、自分の収入に100%かかわっているのです。
お金は世の中を流れているもの
ご存じの通り、お金は欲しい商品やサービス、体験などと交換する道具として社会に流通しています。現金の紙幣や硬貨に限らず、クレジットカードや電子マネーなども同様の道具です。
価値を測る尺度であり、信用の証や感謝のしるし、豊かさの象徴など、いろいろな捉えられ方もします。
ただ、それらはある意味物理的な話で、心理学的に捉えると、お金は「世の中を流れているもの」となります。
「金は天下の回り物」ということわざの意味どおり、お金は1カ所に留まるものではなく、常に人から人へと循環するものです。
お金が人から人へと循環しているから、モノが買えたり、楽しい遊びができたり、便利な生活ができる。これが「経済が回っている」という状態です。
もし、世界中のお金を自分のところに留めたらどうなるか、考えてみてください。世界中のお金を自分が独り占めすると、誰もモノを買えなくなります。モノを作っている会社は材料を仕入れられないからモノを作れないし、そもそもモノが売れないから社員に給料を払えない。
極端なたとえですが、この状態が広がっていくと、世界経済が滅びることが想像できますよね。これだけでも、お金は手にしたら使う、イコール、流す、循環させるものだと理解できるでしょう。
世の中を流れているもの、循環するもの、という意味で、お金は空気や水と同じようなものです。
ん? お金が世の中を流れている?
しかも、空気や水と同じようなものって、意味不明なんですけど…。
今、多くの人が頭の中にクエスチョンマークを浮かべているでしょうか。それもそのはず。一般的にあまり言われていないことなので、ピンとこなくて当然です。ピンときていなかったら、無理にわかろうとしたり、わかった気にならないでください。
頭の片隅に「お金は世の中を流れているもので、空気や水と同じようなものなんだな」と留めておいて、この先を読み進めてください。
読んでいる途中や、ほかのことをしている最中に、ふいに「あれは、こういうことなのかもしれない」「ひょっとしてこういうことかも!」と、光が当たるように理解が深まる瞬間がきっと訪れるでしょう。そうした心理的な反応作用を体験していただくのが、真の理解を得る上では重要なのです。