【メンタルノイズ】お金は苦労して稼ぐもの
お金にまつわるメンタルノイズは、5つに分類することができます。
まず、日本人最強のお金にまつわるメンタルノイズが、「お金は苦労して稼ぐもの」という不労所得禁止系です。
このメンタルノイズはどこから来るかというと、「働かざるもの食うべからず」や「悪銭身につかず」、「濡れ手で粟」などのことわざに基づく教えです。
日本には、お金は苦労や努力をして稼ぐものという意味のことわざが多く、ほとんどの家庭や学校で、それが正しいことのように教えられます。影響を受けないようにするのは不可能なほどです。
スポーツや何かの技術習得は、努力や苦労が必要な世界です。たまたまオリンピックに出れることもなければ、ラクして匠の職人になれることはまずありません。
一方、お金を稼ぐことは、たまたま一発当てることや、ラクに大儲けすることがあります。つまり、必ずしも苦労が必要ではなく、苦労はお金を稼ぐ上での絶対条件ではないということです。
世の中には苦労と成功がセットになった話が多いため、苦労しないとお金を稼げないというイメージが強くありますが、それは単なる錯覚です。
本来、苦労と成功は関係ありません。成功者がする苦労話は、必ず苦労を乗り越えて成功したという展開で成功と結び付いているため、自慢話として聞きましょう。
私のセミナーに参加される方やカウンセリングを受けに来る方で、この不労所得禁止系ノイズに冒されていない人はまずいません。
両親が資産家で、たくさん不労所得を得ている方でさえ、「不労所得はよくないもの」と思い込んでいる人はいます。
「お金は苦労して稼いだほうが価値がある」「汗水流して働くことこそが正義」、あるいは「大金はズルいことや悪いことをしないと手にできない」ということを信じ込んでいるのも、このメンタルノイズの影響です。
ボーナスが出たり貯金が貯まると浪費する
ラクに稼ぎたいと思っているのに、仕事にかける時間や労力が、手にする金額より上回っているか同等でないと、この「お金は苦労して稼ぐものだ」というメンタルノイズが発動します。
すると、せっかく時給3万円のおいしい依頼が来ても、こんなラクに稼げる仕事はダメだ、価値がない、と思って断ってしまいます。
これが、稼ぎたいのに稼げないメカニズムです。
その結果、一向にラクして稼ぐことが叶わず、延々としんどい仕事を選んで、苦労して稼ぐことになってしまうのです。
そんな「ラクして稼いではいけない」と思っている人にとって、ボーナスは「ラクに手にしてしまった」不労所得も同然です。
すると、「さっさと使ってしまえ」という気持ちになり、本当に欲しいのかどうかをよく考えもせずに、バーンと浪費しがちです。
また、貯金が貯まれば貯まるほど、苦労して稼いだ記憶が薄れて、ラクして稼いだもののように錯覚しがちです。その結果、「こんなお金は持ってちゃダメだ、使っちゃえ!」となります。
中には、会社の会計不正やデータ改ざんなどの犯罪行為に巻き込まれて、加担してしまう人もいます。
これは、メンタルノイズの強化行動と言います。「大金はズルいことや悪いことをしないと手にできない」と思い込んでいる人が会社の不正に気付くと、「やっぱりお金は悪いことをしないと稼げないんだ!」と、メンタルノイズの裏付けを取った気になります。
そして、その裏付けをより強固なものとするために、犯罪行為に加担してしまうのです。