メンタルノイズは考え方=“心のクセ”
私たちは小さいころから、親や学校の先生、マスコミなどから常識やルール、道徳、教えといった形で様々な社会的洗脳を受けています。
それは、自分の思考や物事の解釈の仕方に影響し、大人になってからも“心のクセ”として存在するようになります。
間違った思い込みや固定観念、勘違い、偏見であるほか、これはこうあるべき、という信条にも含まれることから、私は「メンタルノイズ」と名付けました。
詳しくは『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)にまとめましたが、メンタルノイズは、主に家庭環境や学校教育、一般常識、メディアなどの外的要因によって出来るもので、知らず知らずのうちに潜在意識の中に蓄積されます。
人間の意識には顕在意識と潜在意識の2つがあり、顕在意識は自覚できる意識のことを、潜在意識は自覚できない意識を意味します。大きいのは潜在意識のほうで、意識全体の9割以上を占めると言われます。
潜在意識は別名「記憶の宝庫」と言われ、何かを経験したとき、大きく感情が動いた出来事ほど強く記憶され、無自覚のうちに私たちの思考や行動、判断に大きな影響を与えています。
その潜在意識に蓄積されたメンタルノイズは、今の自分には不要なノイズですが、過去の自分には必要で、自分を守ったり、平穏無事に過ごすための正義として機能していました。
親や学校の先生も、あなたのためを思って「こうしなさい」「こうしたほうがいい」と指導してくれたわけです。
例えば、小学校に入学したばかりで、「将来の夢は株で大儲けして、資産100億円になることです」と言ったら、先生は苦笑しながらその子が周囲の子たちから浮かないように、「ほかに、サッカー選手やユーチューバーにはなりたくないの?」などと言うでしょう。
子どもは先生の心配を察することができないので、資産100億円の夢を否定された気になり、「人前でお金のことを口に出すべきではないのか」と思います。それがメンタルノイズになり、その後、将来の夢を聞かれたら、ほかの子たちと同じようなことを言うようになるわけです。
でも、資産100億円の夢も、大人になって投資のコミュニティに入れば口に出してOKになりますよね。
すると、「人前でお金のことを口にするのはよくない」というメンタルノイズは不要になります。
このように、メンタルノイズは年齢や時代、社会の常識などの変化によって不要になるのですが、不要になったからといって完全に消えるものではありません。
潜在意識の中に残り続け、予期せぬタイミングで発動して害を及ぼすのです。