新入社員は評価「する側」から「される側」に変化
■マネジメントの注意点1
はじめに、皆さんに質問です。新入社員は、社会人になるまで企業とどのような立場で接してきたでしょうか。 皆さんはどう答えますか。
正解は消費者です。学生や社会人になりたての人であれば、就活生、内定者といったワードが出てくるかもしれません。いずれにせよ、社内の人ではなく社外の人という立場です。
しかし、新入社員として採用された会社で働き始めたら、社員という立場に大きく変わります。入社するかどうか企業を評価していた立場から、企業から評価される立場に大きく変化したことになります。言い換えると、学生と社会人では評価の方向性が異なるということです。この変化にいち早く気付くことができるか。また、企業や社内の人間は、いち早く気付かせることができるか。これらがマネジメント上のポイントになってきます。
会社や上司を評価「する側」と勘違いさせないためには
では、どのようにそれらを気付かせたらよいでしょうか。まずは、新入社員に関わるすべての方々のスタンスを変えることです。入社するまでは、時間をかけて採用してきた人材が辞退されても困るわけですから、学生というより、お客さまと接するような振る舞いをしてきたはずです。少々気になることがあっても見て見ぬ振りをしたり、大目に見たりしたことでしょう。
しかし、入社後もこのスタンスで新入社員に接していてはいけません。新入社員が勘違いします。たとえば、会社や上司を評価するようになる恐れがあります。
「あの人、数字目標まったく達成していないじゃん!」
こうならないようにするためにも、まずは会社が定めるルールを認識させ、守らせることから始めてみてください。会社から評価される立場になったわけですから、会社の一員として守るべきルールは守らせる。守ることができていない新入社員がいれば、上司や先輩社員が指摘する。これらがなされていない、もしくは甘くなっているような組織であれば危険です。
思い起こせば、私が新卒で入社した某生命保険会社では、下記のルールがありました。
・スーツのスラックスにはセンタープレスを当てて出社する
・上司が参加する朝礼、会議ではマスクの着用禁止
・上位者に対しては元気よく挨拶する
・日経新聞を毎朝読みトピック記事に対する感想を3つ用意する
上記ができていない社員は躊躇なく指摘される組織でした。よい意味で毎日緊張感があり、社会人1年生として育てていただいたと思っています。