前回は、体や脳を育てる「伝統的な和食」の魅力について説明しました。今回は、脳の機能を高める「栄養素」とは何かを見ていきます。

脳の活性化に不可欠な「ブドウ糖」と「ビタミンB群」

脳の機能を高める、つまり脳をよく働かせるには次のような栄養素が必要だと言われています。

 

まず、脳のエネルギー源になるのがブドウ糖です。脳以外の細胞では、食物から摂った脂質やたんぱく質を代替エネルギーとして使うことができますが、脳は基本的にはブドウ糖しかエネルギーに使うことができません。このブドウ糖の原料になるのがごはんやパン、麺といった炭水化物で、なかでも脳を持続的に働かせるエネルギー源として最適なのが、ごはんです。

 

脳でブドウ糖が代謝されるときに必要な栄養素が、ビタミンB群です。特に重要なのがビタミンB6とビタミンB1です。ビタミンB6は、炭水化物のでんぷんの分解に必要な成分で、マグロやカツオ、イワシ、鮭、鶏肉、ゴマ、海苔などに多く含まれています。B1はブドウ糖をエネルギーに変換するときに使われ、豚肉、ウナギ、タラコ、海苔、大豆などに含まれます。

魚の油等に含まれる「良質な脂質」を摂ることも大事

また、私たち人間の脳は50%が脂質でできています。そのため、脳のコンディションをよくするには良質な脂質を摂ることも欠かせません。

 

特に脳で必要とされているのが、魚の油や一部の植物油に含まれるオメガ3系と呼ばれる不飽和脂肪酸です。脳の記憶をつかさどる海馬という部位や神経線維の細胞には、オメガ3系の不飽和脂肪酸が多く含まれ、脳の情報のやりとりを担っています。脳にとって重要な脂質には、レシチンもあります。

 

レシチンは脳の細胞膜の構成成分で、神経伝達物質アセチルコリンをつくる材料にもなります。このアセチルコリンが極端に減ってしまった状態が、アルツハイマー型認知症といわれています。レシチンは学習能力や記憶力を高めることでも知られており、食品では大豆や卵黄などに多く含まれています。

 

さらにカルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも、神経伝達物質の材料になったり、酵素として神経細胞の働きを助けたりする役割があります。ミネラルを多く含む食品としては、小魚や青菜などの緑黄色野菜、海藻類、貝類などが挙げられます。

 

このような脳にとって重要な栄養素を自然な形でまんべんなく摂取できるのが、ごはんの主食に汁物、魚や野菜、海藻などの主菜・副菜がそろった日本食なのです。

 

次回は日本食の各要素を、もう少し詳しく説明していきましょう。

本連載は、2015年11月26日刊行の書籍『学力は「食育」でつくられる。』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

学力は「食育」でつくられる。

学力は「食育」でつくられる。

池上 公介

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強は「基礎が大事」と言われます。基礎がきちんとしていなければ、その上にいくら知識を積み上げても結局崩れてしまいます。同様に、学習に取り組む意欲や自己を律する自制心、困難に負けずに学び続ける気力・体力も大切です…

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