エネルギー源になるだけでなく、ビタミンも豊富
「い」はイモ類のことです。イモ類は炭水化物を多く含んでいるため、世界にはイモを主食にしている民族も少なくありません。
イモ類は炭水化物が多い一方で食物繊維もたくさん含んでいるため、血糖値を急激に上げすぎることなく、脳や体のエネルギー源になります。ビタミンやミネラル、抗酸化作用のあるポリフェノールなども豊富で、栄養的に優れた食品です。
「皮」にも多くの栄養が含まれている
よく食べるイモ類の種類ごとの特徴をまとめておきます。
●ジャガイモ
意外にもビタミンCを多く含んでいます。ジャガイモのビタミンCはでんぷんによって守られているため、長期保存や加熱調理をしてもビタミンCが壊れにくいという特徴があります。ほかに余分な塩分を体外に排出するカリウム、食物繊維もあります。
ジャガイモの皮に多いポリフェノール・クロロゲン酸には、動脈硬化やがんを予防する働きがあると言われています。皮が薄くみずみずしい新ジャガの季節には、皮ごとふかしたり、芋煮にするのもよさそうです。
●サツマイモ
ビタミンCが豊富で、100グラム中のビタミンC含有量はかんきつ類に匹敵するほどです。またビタミンB群やベータカロテンも豊富です。これらのビタミン類は風邪予防になり、ストレスに強い心身をつくります。
秋~冬のサツマイモの旬には焼き芋やふかし芋、煮物、素揚げ、てんぷらなどで積極的に食べたいものです。ちなみにサツマイモを切ったときに切り口から染み出る白い液はヤラピンという成分で、便通をよくする作用があります。
●里芋
イモ類のなかでも特に食物繊維が多く、便秘の予防・改善、コレステロール値低下、大腸がんの予防などの効果が期待されます。
正月料理では里芋(特に里芋の一種のヤツガシラ)は子イモ、孫イモがたくさんできることから、子孫繁栄の縁起物とされています。
●山芋
でんぷん分解酵素のアミラーゼを多く含んでいるため、病後や夏バテなどで食欲不振のときにも胃腸の働きを助けてくれます。
山芋には、水溶性ビタミンの一種であるコリンが含まれています。これは神経伝達物質アセチルコリンのもとになるもので、脳の記憶力アップにも役立ちます。山芋はすりおろして「とろろ」にして食べるほか、オクラなどと和え物にする、炒め物にするなどして食卓に取り入れましょう。