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なぜか事業承継が進まない……そこには大きく5つの理由が考えられます。それぞれの対処法も合わせてみていきましょう。

 

理由4:事業承継にかかるお金の問題

事業承継時には、税金や株式の買い取り費用といったコストがかかります。これらの費用は後継者が負担するものです。事業承継の意思があったとしても、資金を用意できず引き継げない後継者候補もいるかもしれません。

相続税、贈与税の課税と納税資金不足

後継者が会社を引き継ぐときには、経営者から株式や土地・建物などを含む事業に必要な資産を引き継がなければいけません。財産を譲り受けた後継者には、贈与税や相続税の支払いが発生します。現金で一括払いしなければいけない税金のため、ある程度以上の資力が必要です。会社の規模が大きいほど税金の負担は大きくなり、事業承継が進みにくくなります。

 

◆事業承継補助金、事業承継税制適用の活用を

高額な税金が理由で事業承継が難しいなら『事業承継・引継ぎ補助金』や『事業承継税制』を活用するとよいでしょう。事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)では、経営者交代型・M&A型といったサポートを受けられます。事業承継税制は、個人の事業用資産を贈与や相続で取得したときに税金を猶予できる『個人版事業承継税制』と、非上場企業にかかる贈与税や相続税を猶予する『法人版事業承継税制』の2種類です。

株式買い取りの資金不足

会社の株式を買い取る資金が不足することで、事業承継が進まないケースもあります。例えば従業員を後継者にする場合、十分な資金を用意できるのはまれです。

能力は十分であったとしても、株式を取得できなければ事業承継できません。対策として考えられるのは、分割での支払いや金融機関・ファンドからの資金調達などです。

理由5:最適な相手に相談できていない

うまく事業承継が進みにくいのは、適切な相談相手がいないからかもしれません。中には相談しなくても自力で解決できると考えている人もいるでしょう。うまく専門家を活用することで、事業承継が進みやすくなる可能性があります。

 

事業承継の相談相手とは?

廃業や事業承継について身近に相談できる相手がいる経営者は多くありません。相談しても解決しないだろうと考え諦めている経営者や、最初から誰にも相談しないと決めている経営者もいるでしょう。

 

しかし事業承継の専門家に相談すれば、何かしらの打開策を見つけられるはずです。例えば事業承継に精通した税理士や会計士に相談すれば、納税資金の確保や遺産分割問題などについてアドバイスをもらえます。行政書士にサポートを依頼すれば、煩雑な書類作成を任せられるでしょう。他の士業と連携したサポートも期待できます。

 

公的な支援も活用しよう

経済産業省が商工会議所などへ委託し運営している『事業引継ぎ支援センター』を利用するのも一つの方法です。加えて自治体の『事業引継ぎ相談窓口』も活用できます。相談すれば後継者候補や専門家を紹介してもらえるでしょう。無料で利用できるため、相談先に迷ったら気軽に連絡するのがおすすめです。

一つひとつと向き合い、最悪の事態を防ぐ

事業承継が進まない理由は主に五つあります。事業の行く末に不安があり事業承継が進まないケースもあれば、後継者の育成が進まずうまくいかない事例もあります。

 

そもそも後継者がいない会社も少なくありません。後継者が決まっていても、事業承継に必要な資金が用意できない人もいます。これらの課題に対し、適切な専門家へ相談できないことも事業承継が進まない理由の一つです。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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