(写真はイメージです/PIXTA)

賃借人が「立退料」を受け取ると、課税の対象となることがあります。しかし、受け取った「立退料」の性質により税金が異なるため、確定申告の際には注意が必要と不動産法務に詳しい森田弁護士はいいます。詳しくみていきましょう。

【例外】第三者から立退料を受け取る場合

一般的に、立退料は建物所有者である賃貸人から、建物を使用していた賃借人に対して支払われるものです。しかし、例外的に第三者から立退料が支払われる場合があります。

 

たとえば、賃借人が貸しビルの一室で店舗を営んでいたところ、その場所で事業を行いたいと考えた第三者が賃借人に対し、その場所を使用する権利を譲って欲しいと頼んできたようなケースです。当然、そのように頼まれたからといって、その第三者へその場所を使う権利を明け渡す義務があるわけではありません。その場所の権利を明け渡すのであれば、お互いが納得できる条件の折り合いが付くことが大前提となります。

 

そのうえで、通常は賃貸借契約書にて無断転貸は禁じられていますので、所有者の承諾を得ることも必要です。このような段階を踏んだうえで話し合いがまとまれば、第三者からもともとの賃借人に対して、立退料が支払われます。

 

この場合の立退料は、前述したとおり「資産(借家権)の移転等の対価」に該当するため、原則として消費税の課税対象となります。併せて、借家権を譲渡したものとして、譲渡所得の課税対象となるでしょう。

まとめ

立退料にかかる税金は、受け取った立退料の性質によって異なります。どのような場合であっても同じ課税方法となるわけではありませんので注意が必要です。立退料についての税務処理に悩んだら、管轄の税務署か税理士へ相談することをおすすめします。

 

 

森田 雅也

Authense法律事務所 弁護士
 

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