要注意…元防衛省情報分析官が「感情が揺さぶられる」情報、「数字」には罠があると言うワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

極限状態の中、どんな困難なミッションも完遂する「諜報員」。その成功の秘密は、「成果が出る“型”」を頭の中に入れていることにあります。あらゆる仕事に応用できる、誰もが実践できる諜報員のテクニックを、上田篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)より一部抜粋してお届けします。

 

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とにかく“情報源は批判的に見る”に限る!

ニセ情報を見破る特効薬はないが、私は情報分析官の経験から、次のようなことに留意すべきだと考えている。

 

大前提として、誰もが情報を発信できる現代、すべての情報は疑って見るべきだ。公開情報はなんらかの意図を持って発信されたものであると考えて、その意図を推察するくらいの注意力は必要である。

 

情報を批判的に見る方法は、外的批判と内的批判の2つがある。

 

外的批判とは、情報が「本物か偽物か」を判断し、情報源、情報の成立時点、その情報が独立のものか、それとも他の情報から派生したものかを突きとめること。情報源が本当に「その情報を知る立場にあるか?」「その情報を正しく理解する能力があるのか?」と疑ってかかることが大事だ。情報の批判では、次のような視点が必要である。

 

  • 情報源の記載されていないものは、状況判断には使用しない

 

ただし、情報の内的批判(後述)は行なう。

 

  • 情報源を不用意に信頼しない

 

著名人や自称専門家と言われる人の情報、過去の出版物などをチェックし、どの筋の専門家なのかを確認する。また思想的背景、交友関係に着目し、意図的な誘導工作の可能性を探る。

 

  • 取材、手記の類は盛り付け”脚色”意図的な誘導”が常態であると認識する

 

自伝は自慢話が多く、ノンフィクションと名乗る取材記事では、取材は名ばかりで、自身の恣し意い的な主張を補強するための材料に過ぎない場合がある。

 

  • 情報源の成立時期を特定する

 

情報源の成立時期と情報の入手時期とは異なる。新しい情報と思っていても、昔の情報の焼き直しであることはよくある。文書情報であれば、その中で使用されている文体や用語が現代的かどうかに注意する。時期が特定できれば、同時期に起きた事柄との比較によって矛盾を見つけられる。重要な事柄を無視していることを発見すれば、その情報の疑義をただす。

 

複数の独立した情報の内容が一致すれば、その情報は本物ということになるが、現実には、情報源が同一ということも多々ある。人から得る情報、公開情報など異なるフィールドの情報源にアクセスできればいいが、一般のビジネスパーソンではそうもいかない。

 

だが、「同じことが言われている」「ここにも書かれている」から「この情報は正しい!」と情報を鵜呑みにしないための批判は最低限必要だ。

 

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    株式会社ラック「ナショナルセキュリティ研究所」 シニアコンサルタント

    元防衛省情報分析官。
    1960年広島県生まれ。防衛大学校(国際関係論)卒業後、陸上自衛隊に入隊。2015年定年退官。
    在職中は、防衛省情報分析官および陸上自衛隊教官として勤務。93年から95年まで在バングラデシュ大使館において警備官として勤務し、危機管理などを担当。情報分析官としての経験、独自の視点から執筆する著書は好評を博している。
    『未来予測入門』(講談社)、『情報戦と女性スパイ』『情報分析官が見た陸軍中野学校』『戦略的インテリジェンス入門』『中国が仕掛けるインテリジェンス戦争』『武器になる情報分析力』『インテリジェンス用語事典(共著)』(いずれも並木書房)、『中国の軍事力―2020年の将来予測(共著)』(蒼蒼社)、『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)、『武器になる状況判断力 米軍式意志決定法とOODAを併用する』(並木書房)など著書多数。
    現在、官公庁および企業において、独自の視点から「情報分析」「未来予測」「各国の情報戦」などに関するテーマで講演を行なっている。

    著者紹介

    連載頭の回転の速さがカギ!ビジネスで成果を出すための「諜報員のダークスキル」

    本連載は、上田 篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再構成したものです。

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    上田 篤盛

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