知らぬうちに「周囲から反感を買っている」かも…。ビジネスパーソンに必須な「リスク管理」の鉄則とは

知らぬうちに「周囲から反感を買っている」かも…。ビジネスパーソンに必須な「リスク管理」の鉄則とは
(※写真はイメージです/PIXTA)

極限状態の中、どんな困難なミッションも完遂する「諜報員」。その成功の秘密は、「成果が出る“型”」を頭の中に入れていることにあります。あらゆる仕事に応用できる、誰もが実践できる諜報員のテクニックを、上田篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)より一部抜粋してお届けします。

 

メンタルに頼らず冷静に実行する!

元CIAの諜報員ジェイソン・ハンソン氏は、現在、ビジネスパーソン向けの身の安全とサバイバルに関する情報を提供する会社を経営している。彼は『超一流の諜報員が教えるCIA式極秘心理術』『状況認識力UPがあなたを守る』の2冊の著書を執筆している。

 

ハンソン氏は著書の中で「CIA捜査官が生き残れるかどうかは、究極的には、状況認識能力にかかっている」と言っている。さらに、彼は状況認識に努めるだけでなく、「回避のための迅速な行動を取れ」ということも言っている。状況把握の先にある状況判断を迅速かつ適切に行なう。そして、判断と行動を一体として行ない、危機を回避することが重要なのである。

 

常日頃からリスクを把握して、適宜適切な状況判断を行なえば、メンタルに頼らず冷静にものを考えたり、行動ができる。私が赴任したバングラデシュは、当時少しだけ物騒な世情にあったが、無事に3年の任務を全うできたのは、危険な状況に至る前にリスクを回避したからだと言える。

 

CIAの養成所〈ロングコース〉では、1年半にわたる過酷な訓練の中で、テロリストから貴重な情報を引き出す方法から尾行をまく方法まで、ありとあらゆるスキルを叩き込まれるという。そして、臨機応変に対処できる優秀な諜報員が養成される。

 

ハンソン氏によれば、こうした優れた諜報員は作戦計画を練る場合、ミーティングの冒頭で機密保護、身の安全、健康問題、そして緊急時の作戦中止などに関して活発に討議する、と言う。それを終えてから、現地の協力者と秘密裏にコミュニケーションを取る具体的な計画を立てるのだ。

 

ビジネスパーソンが何か物事を行なう前には、現状の把握、リスクやアクシデントを見積もって、それを回避する対策を考えておくことが肝要だ。

リスク管理の2つの鉄則

諜報員ならずとも、多くのビジネスパーソンが、リスクやアクシデントと隣り合わせである。危機管理とリスク管理という2つの言葉があり、これらを合わせて広義の意味で「危機管理」と言っている。

 

多くのビジネスパーソンに求められるのは、リスク管理のほうである。「すでに危機が発生した場合に取る対策」を危機管理という。リスク管理は、「危機が起こらないように、そのリスクの原因を低減する」ことに主眼が置かれる。

 

リスク管理のほうが「費用対効果」が格段に良い。リスク管理の第一の鉄則は、「目立ちすぎないこと」である。理想的な諜報員とはジェームズ・ボンドのような人物ではなく、ごく平均的であって、目立たないことが重要であるということは先に述べた。目立つことは危険なのである。

 

次ページ第二の鉄則

本連載は、上田篤盛氏の著書『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル』(ワニブックス)から一部を抜粋し、再構成したものです。

超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル 仕事で使える5つの極秘技術

超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル 仕事で使える5つの極秘技術

上田 篤盛

ワニブックス

元防衛省情報分析官が、 仕事で圧倒的な成果が出る 超一流諜報員の頭の使い方を解説! 「仕事の失敗=死か投獄」という職業である諜報員は、なぜ、極限状態の中、冷静に迅速に仕事を成功させることができるのか――。 …

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録