(※写真はイメージです/PIXTA)

親から相続した不動産をめぐって兄弟姉妹が揉めるケースはあとを絶ちません。しかも、一歩間違えれば泥沼化してしまいかねません。しかし、解決の糸口は、思わぬところに隠れているものです。本記事では、父親が亡くなったことにより100坪の広大な実家を姉とともに相続することになった四谷さん(男性・50代※仮名)の事例を紹介します。

不動産の相続をめぐって姉と弟が対立

四谷さん(男性・50代※仮名)は、同居していた父が亡くなり、100坪の広大な実家を相続することになりました。四谷さんには別所に住む姉がいて、母はすでに他界しています。土地建物は姉との半分ずつの持分で「相続」となります。

 

四谷さんとしては引き続きこの土地に住むことを望んでいました。ただ、せっかくの広大な土地なので、建て替えをして自宅兼アパートの賃貸併用住宅を建てようと画策しました。賃貸部分の収益は姉と分け合うかたちです。

 

ところが姉は猛反対しました。土地を売って現金化し、きっちり半分ずつ分け合いたい意向でした。売りたい姉と建てたい弟、意見が完全に対立してしまい、このままでは平行線をたどるだけです。身内だけでは解決の糸口がつかめず、いくつか不動産関係の会社に相談してみることとなりました。

 

不動産仲介会社に相談したところ、いの一番に出てきた言葉が「売りましょう」というものでした。後々のトラブルを解決するには、いったん売って資産を分け合い、きれいさっぱり精算するのが最善であるという助言でした。自身の意向を無視された不動産仲介会社の売却提案に四谷さんは不服でした。

 

そこでハウスメーカーも訪ねたところ、こちらの提案は四谷さんの希望をすべて取り込んだうえで、建て直して収益物件にするというものでした。しかし、姉との折り合いの付け方や税金面などについての質問を投げかけたところ、「それについては専門ではないのでお答えできない」という、なんとも投げやりな言葉が返ってきてしまいました。

 

不動産仲介会社とハウスメーカー、いずれも「0」か「100」かの極端な意見です。不動産仲介会社にとっては全部売ってしまったほうが手数料を最大化できますし、ハウスメーカーにとっては大きな建物を建てたほうが利益は大きいです。四谷さんは、いずれの業者も自分たちの利益を優先している気がして釈然とせず、納得できませんでした。

 

さらに別の不動産仲介会社にも相談し、事情も詳細に説明したところ、土地はとりあえず売ってしまい、売却金の半分をお姉さんに渡し、残りの半分で別の土地を買って賃貸併用住宅を建てるのはどうかというプランが出てきました。現実的な意見ではあるのですが、四谷さんとしては慣れ親しんでいない地域に移り住むリスクを払拭できませんでしたし、代々受け継がれ生まれ育ってきた場所を引き払うことに抵抗感も抱きました。

 

姉弟双方の意見を取り入れた最適なアイデアが出ず途方に暮れていましたが、ふと「不動産に強いところよりも、相続に強いところに相談するのがいいのでは」と思いつきました。周りに相談したところ、相続の悩み相談セミナーを定期的に開催している不動産エージェントの噂を聞き、相談に訪れました。

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悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

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