(※写真はイメージです/PIXTA)

三田さん(女性・60代※仮名)は、東京都墨田区の自宅を売却しようとしましたが、建物が「店舗兼住宅」、土地が「台形状」と「難あり」の条件を抱えており、まったく売れませんでした。そこで、不動産エージェントに相談に訪れました。担当エージェントBは、周辺地域でアパートのニーズが高いことに着目し、建物を解体して「アパート用地」として売却することを提案し、当初査定価格の1.5倍の高値で売り出しました。

「アパート用地」として売り出すことで当初査定の1.5倍で売却!

当初の査定では「戸建て物件」として5,000万円程度の販売価格だった本物件ですが、「アパート用地」としてターゲットを絞って販売することで、7,500万円の売り出しでも問い合わせは次々寄せられました。その多くは、アパート経営に最適な土地を探している顧客を抱えている不動産仲介会社からのもので、担当エージェントBの思惑どおりの反響です。

 

そんななかで、ある不動産仲介会社から「今すぐにでも内見したい」といっている顧客がいる旨の連絡がありました。買い手候補の方と、不動産仲介会社の担当者、そしてエージェントBの3人で現地にて内見を実施しました。

 

買い手候補サイドだけで内見してもらうこともできましたが、あえてエージェントBも同行をすることを選びました。買い手と売り手で仲介者が分かれている「片手取引」の弱点は、仲介者経由でやり取りするのが主流となるため、買い手候補に直接アプローチができないことです。

 

そこで、現地を一緒に回りつつ、買い手候補に直接アピールする時間を設けることで、不動産のより詳しい説明を徹底し、魅力アピールに努めました。エージェントBの同行は売主である三田さんにとってはもちろんのこと、本物件の知識に乏しい買い手候補の仲介担当者にとってもプラスであり歓迎材料です。

 

現地では建物の解体に関して詳しく説明をしつつ、アパートメーカーから提案された土地に合ったアパートの見積もりの詳細な資料も提供、さらに周辺の状況も一緒に歩きながら確認しました。

 

このときに大活躍するのが、エージェントBが当初行った現地調査の結果です。地図に単身者向けアパートだけマーキングしているものを買い手候補に見せ、どれだけのアパート需要があるかの根拠を現地と照らし合わせつつ示していきました。

 

これだけの資料が調っていれば、買い手候補も自前で調べる手間はほとんどありません。あとは想定に近い初期費用と見込み収益が実現できているかを再確認すればいいだけです。

 

エージェントBが用意した各資料が即決材料となったのか、内見を行ったその日の夕方に、購入申し込みがありました。販売開始から1ヵ月ほどの、予想以上に短期間での売却達成でした。

 

引き渡し後、すぐに解体作業が行われ、アパートの建設が始まりました。エージェントBが参考値として見積もり依頼した解体業者やアパートメーカーは利用せず、買主の方で発注を行い工事に進んだようです。解体から建設まで同じ業者に依頼することでよりコストを抑えたのかもしれません。つまり、エージェントBが提出した資料以上の低コストでアパートを建てられた可能性が考えられます。

 

参考値以上の収益率を出せているのであれば、買主も満足な買い物ができたと喜んでいるはずです。

 

三田さんももちろん大喜びでした。当初は5,000万円の査定だった不動産が、1.5倍の7,500万円で売れたのですから、これほどうれしい誤算はありません。

 

三田さんがセカンドオピニオンを求めて不動産エージェントに相談に訪れてから、アパート用地として売り出し開始するまで3ヵ月、回数にして10回に迫る三田さんとの綿密な打ち合わせが大きな実を結んでくれました。

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悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

悩める売主を救う 不動産エージェントという選択

大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産売却を検討する人は必読の一冊! 後悔したくなければ「不動産エージェント」を選択せよ! 売主第一主義か?自社利益最優先か? 不動産業者は千差万別! 正しいパートナー選びが売却の成否を分ける――

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