業界で評価される「できる不動産屋」は顧客より「不動産仲介会社の利益」優先だった
不動産エージェントが不動産業界にもたらす影響は計り知れません。これまでの旧態依然とした業界の商慣習を踏襲せず、枠にとらわれない自由な発想力と行動力を不動産エージェントは発揮します。依頼者にとことん寄り添うのが仲介業(エージェント)である、という価値観が浸透した不動産業界を形成することができるのです。
これまでの日本の不動産業界は、「囲い込み」や「おとり物件」などの手法からも分かるとおり、不動産仲介会社の利益が最優先となっていました。
「囲い込み」とは、不動産仲介会社が、売主と買主の双方の代理人となって双方から手数料を受け取るため、あえて買主を広く募ることをせず、自分の手の届く範囲での営業活動に終始することをさします。
「おとり物件」とは、魅力的な不動産を「囲い込み」したうえで「おとり広告」にして集客を行い、その不動産の難点を無理やり挙げて他の不動産を問い合わせ客に紹介する行為です。
たとえるなら「一つの不動産で1,000万円を稼ぐのが仕事のできる不動産屋」という価値観で成り立っていたのです。売主側に不利益が生じても見て見ぬふりをするような業界でした。
不動産エージェントの価値観は正反対です。従来の不動産仲介業が1件で1,000万円を目指すのを是とするのであれば、不動産エージェントは10件で100万円ずつ稼ぐことに意義があり価値があると考えます。
1件だけの取引で喜ぶのは、せいぜい1組の売主と買主ですが、10件なら10組の方々が笑顔になれます。そこに重要な意義があると不動産エージェントはとらえているのです。
このような理念に従っていけば、従来よりも10倍ものスピードで売主の悩みを解決していくことができます。高値で売れて笑顔になる売主と、理想の物件が手に入って笑顔になる買主が、これまでの10倍以上に増えるのです。
事実、「囲い込み」をいっさい行わなければ、不動産仲介会社や買い手候補に物件を見てもらう機会は格段に増え、10倍以上のスピードで取引を成立させることはなんら難しいことではないのです。
不動産エージェントが根底にもつこういった考え方は、不動産仲介業の定義を根底から覆すようなものですが、こちらのほうが倫理的に正しいことは明白です。
10倍のスピードで依頼者の悩みを解決していくという、「できる不動産屋」の新定義を業界に浸透させていくことも、不動産エージェントの重大なミッションの一つといえます。それだけにとどまらず、不動産取引のプロセスにおいても、不動産エージェントはこれまでの常識を覆していきます。
売却事例のなかで、「インスペクション」と呼ばれる建物診断を通して、建物の状態をすべて調べ上げ、現在の真の価値を算定し、想定以上の価格で販売した話がありました。従来の不動産仲介会社が査定を依頼された場合、既存のデータベースに数字を入力して、出てきた査定価格を売主に提示するという作業しかしませんでした。
しかし不動産エージェントが編み出した常識を覆す方法によって、より高く売却するまったく新しいプロセスを創出したのです。インスペクションを経てからの取引事例が増え、不動産価値の算出手法として定着し一般化していけば、売主にとっては大切に使ってきた不動産を高く売るチャンスが増えますし、買主にとっては安全性が保証された不動産を適正価格で購入できるようになります。これほど双方にとって望ましい取引もありません。まさに不動産取引の革命です。
不動産エージェントの新発想に基づいた革新的な売却実績が、不動産業界に新しい風を吹かし、利己主義に走りやすかった業界をまったく別の方向に向けさせるきっかけを生むかもしれません。そのような未来が期待できるからこそ、不動産エージェントは非常にやりがいがあり、日々売主に寄り添った最適な提案を徹底追求することができるのです。