不動産市況は空前の「売り手市場」なのに、いざ物件を売却しようとしてもなかなか買い手が見つからず、値引きを余儀なくされることがあります。その背景には、不動産仲介会社が売主と買主の双方の代理人となることで、手数料を両方から受け取れる「両手取引」という仕組みがあります。仲介会社がそのために行うのが物件の「囲い込み」です。これにより、売主と買主双方の取引のチャンスが損なわれることがあるのです。

同グループ内ですら「囲い込み」が行われることも

実際にこのようなことがありました。

 

ある大手不動産会社A社のX支店に売却依頼をしたところ、3ヵ月経っても一向に売れず、私たちのもとへ相談に来た売主がいました。

 

X支店への売却依頼を取り下げ、私たちのサポートで価格などいっさいの条件を変えず売却を開始したところ、1週間足らずで買主が見つかり売却成立に至ることができました。X支店の囲い込みの可能性が十分に考えられる一件でした。

 

しかも驚きだったのはこの不動産の購入者です。なんと売主が以前依頼していたA社の、Y支店だったのです。Y支店は以前からこの不動産に目をつけていたようでした。

 

目をつけていたのならなぜX支店から直接買わなかったのかと尋ねたところ、担当者からはさも当然というように、買ったらX支店の売り上げになってしまうため支店長が絶対に許さないからと答えたのです。支店同士で売り上げを競っているため、X支店とY支店の間で取引することなどもってのほかだったのです。信じがたい話ですが、グループ店同士の情報共有や連携はいっさい行われていないことを物語る実話です。

 

このようなケースは決して珍しいことではありません。不動産業界は他の業界に身をおく方から見れば非常に異質に映るような光景が、日々当たり前のように繰り返されています。資本の大きい大手不動産会社だから、という理由だけで不動産売却を任せるのは、この件の売主のような経験を喫することもあり、お勧めできません。

 

 

大西 倫加
さくら事務所 代表取締役社長
らくだ不動産株式会社 代表取締役社長
だいち災害リスク研究所 副所長

 

長嶋 修
さくら事務所 会長
らくだ不動産株式会社 会長

 

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大西 倫加,長嶋 修

幻冬舎メディアコンサルティング

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