不動産の売却スピードと価格は「不動産価値+出会い」で決定する
不動産の売却スピードとその価格を決定づける要素は、不動産の価値そのもの以外にも存在します。
売主は「自分の不動産はいったいどれほどの価値があるのか」に執着しがちですが、大切な不動産をあずける委託先にも注目せねばなりません。「この不動産屋は、きちんと私の不動産の価値を測りとり、真っ当なやり方で販売をしてくれるのか」といった点にも配慮すべきということです。
つまり、不動産の本質的な価値だけでなく、不動産仲介会社とその担当者の本質的な部分に着目することで、売却スピードと売却価格は決定するということです。まったく売主の意向に寄り添えていない、自分たちの都合ばかり考え「囲い込み」を常套手段とする不動産仲介会社に依頼したら、希望以上の価格で売れるタイミングをいくつも逃すことになります。
売主の希望を尊重し、広い視野とアプローチで販売活動を行ってくれる担当者に出会えることで、理想の売却が叶えられるわけです。加えて、不動産の価値をより高めようと力を注いでくれる、専門的な手腕をもった担当者に出会えるかどうかでも、売却価格は変わってきます。
不動産取引に携わる仲介人は宅地建物取引士の資格をもっていますが、これはあくまで不動産取引のプロであり、土地建物に詳しい専門家を意味しているわけではありません。宅地建物取引士の資格を有しているからといって、不動産の価値を正しく見極め、売主に最大の利益をもたらす売却プロセスを提案できるとは限らないのです。
したがって、囲い込みに固執しない営業活動に加えて、幅広い専門知識や技術を有している担当者と出会えることが最も理想的なのです。
そしてもう一つ、売却価格を決定づける重要な出会いが、「買主との出会い」です。売りたい不動産を、心の底から欲しいと思ってくれる買主に情報を届けられるかどうかでも、最終的な売却価格には大きな差が出ます。
囲い込みで販売範囲を狭めている販売方法ではすばらしい買主との出会いは決して叶うことはなく、思うような価格で売ることはできません。つまるところ、すばらしい買主と出会えるかどうかも、不動産仲介担当者の能力次第ということです。