社長室の時計が止まっている会社は危険!?
なぜ、稼げない会社の社長室の時計は止まっているのか?
これからする話はとても不思議なので、もしかしたら信じてもらえないかもしれないけれど、本当にあった話だ。
父さんは職業柄、たくさんの会社を訪問するけれど、儲からない会社にはある特徴があることに気がついたんだ。
それは、
「社長室の時計が止まっている」
ということ。
ある日、稼げていない会社の社長に相談されて、面談に行ったときに、時計を見たら止まっていた。
最初は、「あ、たまたま、電池が切れてしまって止まってしまったんだな」と思っていただけだったけれど、何度訪問してもその会社の時計は止まっていた。
そのあと、別の儲かっていない会社に行ったときに、「あれ? この会社も時計が止まっている」、また別の儲かっていない会社へ行ったときにも、「やっぱり、この会社も時計が止まっている」――。
この逆で、儲かっている会社へ行って、社長室の時計が止まっているということは、100%なかった。
これはどういうことなのか?
お金を稼ぐということは、「お客さんが何に困っているか?」を敏感に感じ取り、「お客さんにどうすれば喜んでもらえるか」を細部までよく考えながら商品をつくったり、サービスを開発したりする中で、はじめて実現できることなんだ。
「けっこう繊細なんだね」
そのとおり。そんな繊細なビジネスの世界にあって、「時計が止まっている」という、見たらすぐにわかることにすら気がつかない、あるいは気づいても対処しない社長の会社が、お客さんの気持ちを読み取ったり、お客さんが気に入る商品をつくったり、お客さんが喜ぶサービスを開発したりするなんてことがはたしてできるだろうか?
無理だと思う。だから、社長室の時計が止まっている会社は、上手に稼ぐことができていないのは、ある意味、必然だ。
偉人に学ぶ「気づく力」
繊細といえば思いつくのはこの人。
学校の銅像にもなっている、薪を背負って本を読んでいる人―。
「あー、あの人ね。たしか…にのみや、なんちゃらさん」
そう、二宮尊徳さんね(笑)。
二宮尊徳は、勤勉な子どもの見本でもあると同時に、農村の飢餓を救った人としても有名なんだ。こんな逸話がある。
ある夏、夜ごはんで食べたナスが秋の味がした。