お金に困らないためには、お金を「上手に稼ぐ」・「減らさない工夫をする」・「賢く貯める」という3つの柱が重要であると、企業経営コンサルティングを行う(株)プレジデンツビジョンの代表取締役・石原尚幸氏は指摘します。3つの柱を実践するうえで身につけるべき考え方、方法について、著書『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』から、親と子どもの対話形式で、分かりやすく解説します。
社長室の時計が止まっている会社は危険!?
なぜ、稼げない会社の社長室の時計は止まっているのか?
これからする話はとても不思議なので、もしかしたら信じてもらえないかもしれないけれど、本当にあった話だ。
父さんは職業柄、たくさんの会社を訪問するけれど、儲からない会社にはある特徴があることに気がついたんだ。
それは、
「社長室の時計が止まっている」
ということ。
ある日、稼げていない会社の社長に相談されて、面談に行ったときに、時計を見たら止まっていた。
最初は、「あ、たまたま、電池が切れてしまって止まってしまったんだな」と思っていただけだったけれど、何度訪問してもその会社の時計は止まっていた。
そのあと、別の儲かっていない会社に行ったときに、「あれ? この会社も時計が止まっている」、また別の儲かっていない会社へ行ったときにも、「やっぱり、この会社も時計が止まっている」――。
この逆で、儲かっている会社へ行って、社長室の時計が止まっているということは、100%なかった。
これはどういうことなのか?
お金を稼ぐということは、「お客さんが何に困っているか?」を敏感に感じ取り、「お客さんにどうすれば喜んでもらえるか」を細部までよく考えながら商品をつくったり、サービスを開発したりする中で、はじめて実現できることなんだ。
「けっこう繊細なんだね」
そのとおり。そんな繊細なビジネスの世界にあって、「時計が止まっている」という、見たらすぐにわかることにすら気がつかない、あるいは気づいても対処しない社長の会社が、お客さんの気持ちを読み取ったり、お客さんが気に入る商品をつくったり、お客さんが喜ぶサービスを開発したりするなんてことがはたしてできるだろうか?
無理だと思う。だから、社長室の時計が止まっている会社は、上手に稼ぐことができていないのは、ある意味、必然だ。
偉人に学ぶ「気づく力」
繊細といえば思いつくのはこの人。
学校の銅像にもなっている、薪を背負って本を読んでいる人―。
「あー、あの人ね。たしか…にのみや、なんちゃらさん」
そう、二宮尊徳さんね(笑)。
二宮尊徳は、勤勉な子どもの見本でもあると同時に、農村の飢餓を救った人としても有名なんだ。こんな逸話がある。
ある夏、夜ごはんで食べたナスが秋の味がした。
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
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連載子どもに伝えたい!お金に一生困らない3つの考え方