お金に困らないためには、お金を「上手に稼ぐ」・「減らさない工夫をする」・「賢く貯める」という3つの柱が重要であると、企業経営コンサルティングを行う、(株)プレジデンツビジョンの代表取締役・石原尚幸氏は指摘します。3つの柱を実践するうえで身につけるべき考え方、方法について著書『父が子に伝える 13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方』から、親と子どもの対話形式で、分かりやすく解説します。
なぜ「スターバックス」はいつも行列なのか?
「価格競争」への参戦は自ら自分の首を絞めることに
もし、君が100円をもらってお手伝いをしていたとしよう。すると、近所の子がその話を聞きつけて、「僕なら99円でやります」といってきたとする。
このままだと99円の子にお手伝いの仕事を取られてしまう…。
さて、君ならどうする?
「そりゃ、98円に値下げするよ」
だよね。
では、99円でやりますといっていた子が、「そっちが98円なら、97円でやります」といったらどうする?
「じゃ、僕は96円でやります!」
というかな?
「なんだか、エンドレスだね…」
そう。このエンドレスの戦いのことを「価格競争」と呼ぶ。
先に断言しておいてもいい。この価格競争を続けていって稼ぐことはできない。同じ仕事をしても、もらえる金額が下がるのだから、稼ぐことなんてできなくなるよね。
社会に出たら、この価格競争はもっとシビアになる。
会社に入って、給料をもらって働く。そのときに、給料を払う側の人の気持ちになってみれば、同じ仕事をしてくれる人なら、高い給料の人より安い給料の人のほうがいいよね?
となれば、さっきの「お手伝いの価格競争」と同じ原理で、今度は「給料の価格競争」がはじまる。その結果、いつまでたっても給料が上がらない…という事態になってしまう危険があるんだ。
「スターバックス」が教えてくれること
では、この「価格競争」を避けるにはどうしたらいいか?
そのヒントはコーヒー屋さんにある。
たまに君と行くスターバックスコーヒー。そう、スタバね。
あのスタバのコーヒーって、高いよね?
いまどき、コンビニなら100円払えば、おいしいコーヒーは飲める。
それに比べて、スタバのコーヒーは400円~600円だ。フラペチーノとかだと700円とか800円とかする。
それなのに、いつ行ってもスタバは行列で、店内も満席だ。父さんも「高いな」と思いながら週に何回も通っている(笑)。
なぜか?
なぜ、あんなに高いコーヒーを売っているのにもかかわらず、お客さんは毎日たくさん来てくれるのか?
それは、スタバが価格競争をしていないからだよ。
株式会社プレジデンツビジョン 代表取締役
1973年、愛知県名古屋市生まれ。
コーヒー卸商「石原珈琲商会」の三男として育つ。幼少の頃から父の配達についていき、「明日の売上がなかったら、お前の目の前のごはんは食べられないんだぞ」と言葉をかけられていたのが、商売の原点。上智大学経済学部経営学科卒業後、大手石油元売に入社。日本一ガソリン代が安い激戦区に担当営業として赴任。赤字となってしまった大手特約店にて、2年間で3億円のV字回復を実現したことが評価され、31歳で社長賞を受賞。34歳で独立起業後は、現場で培った経営ノウハウにファイナンシャルプランナー資格(1級FP技能士)、MBA修得で得た知見も併せ、成果にコミットするV字回復メソッドを体系化。「売上に偶然はあるが、利益に偶然はない」という理念のもと、社外にいるものの、社長の傍らに寄り添う「社外参謀」としてクライアントのビジョン実現へ邁進している。直近では「父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方」を上梓し、お金と賢く付き合うやり方と考え方をわかりやすく伝える活動も行っている。
【公式サイト】
株式会社プレジデンツビジョン:https://presidents-vision.com/
ジャパンコンサルティングファーム株式会社:http://www.japan-cf.com/
【資格等】
・1級FP技能士
・ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA(経営管理修士・専門職)
【主催する団体】
・ジャパンコンサルティングファーム(株) 代表取締役会長
・五つ星★メンバーシップ 主宰
【著書】
『社長!お金は「ここだけ」押さえれば会社は潰れない〜2枚のシートで利益とキャッシュを確実に残す!(ダイヤモンド社)』
『父が子に伝える13歳からのお金に一生困らないたった3つの考え方(三笠書房)』
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連載子どもに伝えたい!お金に一生困らない3つの考え方