(※写真はイメージです/PIXTA)

平成のバブル経済が崩壊してから約30年が経過。あの「強い日本経済」を知らない成人も増えてきました。バブルのさなかはだれもが〈日本経済最強〉を信じ、将来にも明るい見通しを持っていましたが、いまとなっては大きく状況が異なっています。バブル崩壊から現在までの過程をまとめます。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

バブルの後遺症は反動的な不況、そして金融危機

バブルは、政府日銀が潰しました。もっとも、バブルであるという確信があったわけでは無いでしょうし、証拠も無かったでしょうから、株高で喜んでいる人々を納得させる説明は難しかったのでしょう。

 

当時の説明は、「地価が上がりすぎて、サラリーマンがマイホームを持てなくなってしまった。地価を下げる必要がある」というものでした。

 

バブルの後遺症は、2段階で訪れました。第1段階は、好況の反動としての不況(山高ければ谷深し)で、第2段階は金融危機による不況です。

 

バブル期には、人々が贅沢をしていましたから、景気は絶好調でした。人々は日本経済の将来と自分の給料の将来の明るさを確信し、贅沢していたのです。その確信が崩れた時、人々は減ってしまった貯金が気になり、倹約するようになりました。加えて、すでに立派な車や家電などを持っていたので、新しく買う必要が無くなっていた、ということもありました。

 

企業も、大きな工場を建て、大勢の人を雇ったので、バブルが崩壊してから新しい工場を建てる企業は稀で、人員の採用も激減しました。当時就職戦線を戦った人々は「就職氷河期」などと呼ばれ、いまでも正社員になれていない人も多いようです。

 

第2段階は、金融危機でした。借金で不動産を買った投機家たちが地価の下落で借金返済に行き詰まったため、銀行は巨額の不良債権を抱えることになりました。それによって巨額の赤字に陥った銀行は、自己資本が減りました。

 

銀行には、自己資本比率規制というものがあります。大胆に簡略化すると「銀行は自己資本の12.5倍までしか融資をしてはならない」というものです。銀行の自己資本が減ると、貸していい上限金額が下がるので、融資を回収しなければならなくなるのです。

 

そこで、貸し渋り、貸し剥がし、などと言われるように、銀行が融資を絞るようになりました。それによって、材料代や給料が支払えずに倒産してしまった企業も多かったようです。

 

金融危機というと、大手金融機関が相次いで破綻した事件を思い出す人も多いでしょうが、景気という点では金融機関が倒産する前から貸し渋り等によって景気が大きな悪影響を受けていたわけです。

 

金融危機については、拙稿『中国、懸念される「金融危機」の問題…世界経済へ及ぼす影響を「過去の日本の金融危機」から考察』をあわせてご参照いただければ幸いです。

「質素に暮らそう」というマインドが景気回復の妨げに

結局、バブルの後遺症は10年以上続きましたが、それが終わっても日本経済は本格的には回復せず、失われた20年、30年、と呼ばれるようになったわけです。

 

その一因にはバブル期の反省から「質素に暮らそう」と考える人が増えて、需要が盛り上がらないことがあるのかもしれません。そうだとすると、じつは日本経済はいまだにバブル後遺症の第3期に苦しんでいる、ということなのかもしれませんね。

 

今回は以上です。なお、本稿はわかりやすさを優先していますので、細かい所について厳密にいえば不正確だ、という場合もあり得ます。ご理解いただければ幸いです。

 

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塚崎 公義
経済評論家

 

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