(※写真はイメージです/PIXTA)

いま、日本のみならず世界の金融・経済情勢も不安定な状況が続いています。多くの悲観論が飛び交っていますが、これまでもたびたび繰り返されてきた金融危機を振り返ることで、学びになることがあるはずです。今回は、2008年に世界各国を震撼させた「リーマン・ショック」について、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

バブルが繰り返すことで、金融危機も繰り返す

大型のバブルが崩壊すると、金融危機が起こる場合が多くあります。つまり、バブルが繰り返すことで金融危機も繰り返すのです。そして、その姿はときとして大変似ています。

 

日本でバブルが崩壊して1990年代に金融危機が起きましたが、2008年にリーマン・ショックが発生し、日本で起きたこととまるで同じようなことが米国で起きました。

 

いちばん大きな違いは、日本の金融危機は日本国内の問題だった一方で、基軸通貨国である米国の金融危機は世界中に激震となった、ということでしょう。「日本は土地のバブルで米国は住宅のバブルだった」とか、「米国では住宅ローンが証券化されていた」とかいう違いもありますが、本質的なことではないでしょう。

バブル崩壊で、銀行の自己資本が激減

不動産価格が上昇を続けると、「借金して不動産を買いたい。さらに値上がりしたところで売り抜けて儲けたい」という投資家(投機家?)が増えてきます。それに対して、銀行が融資を渋ればバブルは拡大しないのですが、銀行も不動産価格が上昇しているときには「不動産を担保に貸し出せば安心だ」と考えて審査が甘くなる(気楽に金を貸す)ようになる場合が多いようです。これは銀行の意思決定として大いに問題なので、後述します。

 

金利が低く、銀行が不動産融資に積極的だったこともあり、不動産バブルは拡大しました。そして、バブルの常として崩壊し、借金が返せない借り手が大量に発生しました。銀行にとっては、不良債権の激増です。

 

そうなると、2つの困ったことが起こります。ひとつは、銀行が倒産するかもしれないという懸念が招くもので、もうひとつは「自己資本比率規制」が招くものです。

 

銀行が巨額の不良債権を抱えると、銀行の決算が悪化し、銀行の自己資本が減ります。すると、銀行が倒産するかもしれないと心配する人が出てきます。預金者の多くが心配して預金を引き出せば「取り付け騒ぎ」になるわけですが、それよりはるかに頻繁に発生するのは、銀行相互の資金貸借がおこなわれなくなることです。

 

ほかの銀行から資金を借りて融資している銀行は、ほかの銀行が貸してくれなくなると、融資を回収しなければなりません。それによって借り手の倒産が増えてしまう可能性があるわけです。

 

もっとも、これについては中央銀行(日本でいえば日銀、米国でいえばFRB)が銀行に融資をすれば何とかなります。「金が足りないなら貸してやる」というわけです。

 

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